不眠症はきっかけはストレス、それ以降は睡眠薬

僕の不眠症になったきっかけは極度のストレスからだった。

2011年3月11日、東日本大震災が起きた。札幌は、幸運にも東北に比べると軽微な被害で済んだ。しかし、この後3ヶ月近くは個人的にも非常に精神的なダメージを受けた。

東日本大震災で、直接的なダメージを受けたのは私の担当している事業だった。私は小さなIT企業で事業の統括をしていた。当時は、2つの既存事業、1つの新規事業を統括したいた。

2007年に幾ばくの資金を出資し、COOとして会社に参加したが当時の会社の財政は悲惨で大赤字だった。そこから2年間で新しい事業を2つ立ち上げ、やっとのことで黒字化させ、やっと事業が安定して黒字を出せるようになったのが2010年だった。そして新規事業を立ち上げて、1ヶ月で東日本大震災に見舞われた。

僕はネット事業のスペシャリストだ。事業の成否は、トラフィックの流れで分単位、時間単位でわかり、月末の売上推計値は時間単位で更新されスマホで確認できるようになっている。東日本大震災が起こって3時間程で、トラフィックが7割程に急減し、次月の売上見込は時間ごとにどんどん落ちていった。3月11日時点で既に4月の赤字が既に読めていた。

今の僕なら、おそらくそこで諦め、仕事を低速モードに切り替える。しかし、当時の僕は違った。格好良く言えば、リスクをチャンスと受け止め一気にV字回復を狙った。

大震災の翌日の土曜からチェルノブイリと大阪団震災の時に何が起きて、どのくらいの期間、経済活動が停滞し、いつ頃から回復したかを徹底的に調べた。その調査をベースに、すべての計画を白紙にし、大震災後の事業復興計画を立て、翌週にすぐに実行した。

この結果、東日本大震災の会計年度は、なんと前年度の3割増しの増収増益になった。東日本大震災の起きた次の日から動いた結果が、そのまま業績に反映した。

おそらく、大震災の次の日から3ヶ月くらいは会社でも帰宅後も16〜20時間位は働いた。週末もカフェにPCを持ち込み、仕事をしていたのを覚えている。

しかし、僕の身体は完全に壊れていた。震災後2〜3週間で耳鳴りが常態化した。そして、眠っても夢で事業計画のスプレッドシートや社員の人事評価に対する不平・不満が出てくるようになった。車を運転していても、独り言で事業計画の内容をつぶやいているようなこともあった。夜眠れないで、トイレに起きると、事業に関するアイデアが湧き出て、止まらなくなるようなこともあった。

こんなことを繰り返している間に、ハルシオンの服用が常用化していった。ハルシオンを服用すると、ストーンと入眠でき、朝すっきりする感じがした。不眠症初期の場合は、入眠障害さえ無くなれば睡眠維持することは難しくない。また中途覚醒したとしても、再入眠できるのだ。

当時の僕は、最初のうちは仕事が面白くてしかたがなかったのだが、だんだん精神的に疲れ、何度も重責に押し潰されそうになった。そんな時、ハルシオンは現実から逃避させてくれる唯一の守り神的な存在だったのかもしれない。

そう、不眠症の最初のきっかけは紛れもないストレスだったのだ。私は、2017年までは、この仕事の重責に対するストレスこそが不眠の原因だと勘違いしていた。しかし、その後、不眠症の根源的な原因はストレスではなく、睡眠薬そのものだと知ることになるのだ。

2018年2月、私は肉体的にも、精神的にも限界に来ていた。 私は、このままでは退職もやむ無しと感じたが、会社のCEOに自分の不眠症が悪化し、酷い鬱に陥ったこと、今のままでは会社の迷惑をかけるので、会社の統括を下ろしてもらい少し業務負荷、責任を軽くしてもらいたいことを相談した。少しの猶予をおいて、辞めさせられてもやむ無しと思っての相談だったが、ありがたいことに、彼も鬱で6ヶ月休職したことがあることから同情してくれた。そして、8割くらいの業務責任から外してもらえた。年収は2割程下げられたが、この時、肩の荷がストーンと落ちたのを今でも覚えている。十数年間1人で背負っていた会社の業績責任の殆どを他の優秀な若手社員に任せられると思った途端、とてつもない開放感を感じられた。これで不眠症は良くなるだろうと期待していたが、不眠は悪化する一方だった。仕事のストレスが原因だと、ずっと信じていた僕は、かなりショックを受けた。当時は、僕の不眠はもう治らないのではないかと思い、以前よりもっと不安に掻き立てられた。

確かに、不眠のきっかけは仕事に対する極度のストレスだった。それは間違いない。しかし、その後の不眠は、ストレスではなかったのだ。その後の不眠は、睡眠薬が原因なのである。睡眠薬が段階的に不眠を悪化させたのである。

睡眠障害は、ハルシオンで短期的に軽減するが、結果的には悪化した。

中途覚醒は、デパス、レンドルミン、ルネスタ、サイレースなどで軽減するが、結果的には中途覚醒も悪化した。

早朝覚醒や熟睡障害は、クアゼパム、フルラゼパムなどで短期間軽減するが、結果的には悪化した。

そして、ハルシオン、デパス、ルネスタ、フルラゼパムを多剤服用して、とうとう絶不眠に追い込まれたのである。

不眠症の原因を特定するのは、非常に難しい。私も8年間、ずっと仕事からくるストレスだと勘違いしていた。しかし、そうではなかったのである。

「不眠の原因は複合的で特定するのは難しい。」などと説明する医師がよくいる。これは、彼等の都合の良いExcuseであり、「私はヤブなので診断できません」と言っているのと同じだ。医学に限らず、物事を発症させている要因は1つではない。しかし、そのメインの1つを特定するのが専門家の役目だ。それを拒否してよくもまあ診察フィーをとるよなあと思う。

僕の場合、おそらく震災後1年くらいはストレスが8割以上だろう。しかし、2年目以降は5〜6割で睡眠薬がメインの不眠要因である。こう説明するのが名医だと思う。それで、やっと不眠治療の方法論に入れるのではないだろうか?

とはいっても、精神科医はヤブのゴロツキばかりである。これは間違いない。では、どうすればいいか?あなたが、不眠症の原因が特定できていない場合、一つだけ試してもらいことがある。週末に断薬し入眠できるか試してもらいたい。これで、金曜日、土曜日の晩に一睡もできなかった場合、貴方は既に薬源不眠症になっている。ほぼ間違いない。夏休みに1週間休めるなら、1週間試してみるといい。1週間絶不眠が続いたら、100%薬源不眠症だ。

僕は、100人の不眠症の患者が居たらTOP3位の重度不眠症だと自負している(なんのこっちゃ)。実際、睡眠外来で血液検査をした時に、2000人程診察経験のある医師から、不眠症患者の中でも日本人には珍しいくらい酷いと言われたことがある。そんな僕でも、ベンゾ常用前は2〜3日絶不眠が続くのには耐えられなかった。1週間なんて、絶対不可能だった。これが耐えられるようになっているということは、貴方の脳の睡眠機能が既に損傷していることを示すのだ。

僕は2015年のGWに1週間の休みで絶不眠が6日間続いたことがあった。しかし、その意味を誰も教えてくれなかったので、7日目に睡眠薬を多めに飲んでぐっすり眠り、仕事に戻ってしまった。

あれで、僕は薬源不眠症だと気づくべきだったのだ。

不眠症はきっかけはストレス、それ以降は睡眠薬” への6件のフィードバック

  1. 私も不眠症でルネスタなどの薬を飲んでますが1日3時間寝れたら御の字に一ヶ月なってます。
    ベンゾジアゼピン系ではないですがマイスリーなどの薬の反跳性不眠についてはこんな記事もありました。
    http://www.carenet.com/news/head/carenet/30759
    睡眠障害が薬剤性のものであると100%断言できる理由は何か体験談以外に根拠はあるのでしょうか。
    わたしも不眠症に悩んで15年でかなり切実な理由を知りたいです。

    1. 和歌さん、こんにちは。

      ブログを読んで頂きありがとうございます。

      >睡眠障害が薬剤性のものであると100%断言できる理由は何か体験談以外に根拠はあるのでしょうか。

      体験以外の根拠はありません。僕は自分や不眠症を克服した先輩以外の情報は、信用も信頼もしていません。
      なぜなら、8年間信じてきて裏切られ続けてきたからです。

      体験以外の根拠とは、例えば、どういう根拠でしょういか?教えていただければ参考になります。

      おっしゃっているのは、論拠ですか? なぜそのように考えるかということでしょうか?

      すぐにご回答できず、聞き返してしまいまして恐縮です。😅

      1. 八年間は苦しむのには長すぎる期間です。
        睡眠薬は確かに依存性があります。わたしはないと寝付けません。
        わたしも自然の睡眠を取れなくなって15年。その間に昼寝とかすらできたことはありません。
        薬を飲まないと睡眠に入ることができないからです。
        わたし自信の不眠の原因は統合失調症から来てるものだと思うのですがshinさんご自身は不眠の原因となりえるのは薬以外にないとなぜ分かるのかと思ったんです。
        わたしは薬はいつか辞めたいし薬のせいで制約を受けてるようにも思ってます。
        ただshinさんが不眠の原因となるものは薬以外にありえないと書かれてたのでなぜそのように断言できるのか知りたかったんです。
        わたしもいつか薬を辞めたい人間の一人なので。
        ただ不眠の種類も多岐に渡ると個人的に思っていまして薬のせいで不眠症が悪化することはあっても全てが薬のせいなのか疑問に思ったんです。
        例えば原発性の睡眠障害には睡眠薬はやめた方がいいとは分かるのですが統合失調症などの病気から来る睡眠障害には本当に薬を辞めて治るのか疑問に思ったんです。
        少しとりとめのない文書でごめんなさい。

        1. 和歌さん、ご回答ありがとうございます。(^。^)

          和歌さんがお知りになりたいのは、体験からか?、医学情報やデータからなのか?という選択ではなく、おそらく、僕がどうして不眠症の原因を睡眠薬かと推定しているのかという論拠ですよね?
          もしそうなら、いくつか論拠はあります。

          1.諸先輩への質問

          僕と同様な重度の不眠症を克服された方に質問した結果。断薬した後に2週間~6か月で絶不眠を克服され、断薬から3~12カ月くらいで平均睡眠時間5~6時間に回復されています。

          2.FFIではない

          以前、検査してもらいFFIではないことは事前にわかっています。もし、FFIでない場合、56日間も絶不眠を連続していること自体おかしいはずです。これは脳が損傷し、眠気、疲れなどを感じるセンサーが壊れているからに他ありません。僕はサイボーグではないのです。僕は脳に外傷はありませんので、脳を損傷する原因は薬以外には考えられないのです。

          3.精神疾患がない
          和歌さんもご指摘のとおり、僕は精神疾患は全くありません。だから、概日リズム機構による不眠は多分考えられません。

          4.薬の量、種類増と共に不眠が悪化
          これ自体が、不眠症の根源的な原因が睡眠薬だったと考えるのに十分な状況証拠ではないでしょうか。

          私が、どうして自分の不眠を睡眠薬が原因だと断言するかわかっていただけたでしょうか。
          まあ、僕自身が絶不眠を克服すれば、今まで9年間一度も薬なしで眠れていないわけですから、睡眠薬が不眠の原因だったと立証できますよね。
          それについては、頑張りますので期待していてください。(^。^)

          >>ただ不眠の種類も多岐に渡ると個人的に思っていまして薬のせいで不眠症が悪化することはあっても全てが薬のせいなのか疑問に思ったんです。

          精神疾患系の不眠については、詳しくないので正直、「これです」とは答えられません。

          おそらく、和歌さんのおっしゃる通り、精神疾患系の不安から来る不眠と睡眠薬源の不眠症とが複合しているのかもしれません。

          その場合、減薬は精神系の薬から始めて、精神系の薬の断薬後に睡眠薬を断薬するそうです。
          これに関して僕は知識がありませんので、お力になりません。申し訳ございません。

          1. 返信ありがとうございます。
            なぜ薬剤性のものとおっしゃったのかよく理解できました。
            shinさんなら再び薬なしで安眠できる日は近いと思いました。
            早くその日が来ることを祈ってます。
            わたしも薬なしで生活できる日を目標に頑張っていきます。
            また安眠できるようになる日が1日でも早くこられますように。
            いきなりの質問にも答えてくださりありがとうございました。

          2. 和歌さん、おはようございます。

            コメントありがとうございます。

            精神疾患系と不眠症系の薬を多剤処方され、その副作用や離脱症状で苦しんでいる方がたくさんいらっしゃいます。

            僕は、どちらにせよ薬を飲む前よりトータルで考えて体調が悪かったら薬は止める方向で考えたほうがいいと思います。
            そして、減薬する際は、欲張らずにまずは1つの症状を軽減するためだけに集中したほうがいいと思います。

            僕の場合、今回の断薬は絶不眠はやむ無しと考え、まずは慢性便秘と肩の硬直を解消することを第一に考えました。
            そして、便秘は解消、肩の硬直は残念ながら少しばかり悪化しています。

            しかし、これを肩の硬直、便秘、睡眠まですべて解消することを目的にしてしまうと、睡眠薬を減薬しているわけですから
            必ず絶不眠と直面し、そこでストップしてしまいます。

            僕は減薬する時に、これについて何度も考えさせられました。そして、絶不眠には耐え、とにかく体調不良を解消していこうと
            決め、前に進みました。

            統合失調症と不眠を抱える場合でも、考え方は同じだと思います。まず、ご自分がどちらの薬により苦しめられているのかを
            よく考え、その解消のために減薬を進めればブレることはありません。

            僕の場合、絶不眠は苦しいですがもし肩の硬直が解消してくれれば、多分この先も生きていけます。しかし、便秘と肩の硬直が
            常用時と同じレベルで続いたら生きている自身がありませんでした。だから、離脱症状の解消を主目的に減薬を進めました。

            減薬を進める上で何かヒントになれば幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)