メルカリという離脱の緩和剤

僕がメルカリを始めたのは丁度一ヶ月くらい前だ。肩の硬直が最も悪化し、耐えられないレベルになっていた頃である。しかし、1年前と違い他の離脱、特にメンタル面の離脱は断薬後全く無くなっていたので、複雑なことは考えられなくても、単純なことは考えることもでき、作業もできた。しかし、意欲というものがまだわかないので、新しいことを始めるのがめちゃくちゃ億劫だった。

きっかけは、スイスだった。スイスに行くことになると、このマンションは放置するか、誰かに譲るかあげることになる。しかし、その前に処分するものがたくさんあるのだ。特に不眠症のために購入した寝具やリラックスグッズは200万円分くらいある。僕は過去3年間、旅行と不眠症関連くらいしかお金を使っていない。しかし、200万円分のグッズを大型ゴミに出すと、おそらく5万円弱の処理費がかかってしまう。お金も問題だが、大型ゴミの場所まで持っていくのも、一苦労なのだ。特にベッドやマットレス類は、肩が痛くて運べるかもわからない。そこで、何か良い方法はないかとメルカリに辿りついた。

メルカリをスマホにダウンロードしてから、実際に始めるまで2ヶ月かかった。やる気がしないのだ。ヤフオクはオヤジでもできるが、僕の中でメルカリは10〜20代のイメージがある。健常時、僕はあまり年齢を気にかけない。若者が行く店に平気で入るし、若者しか泊まらないゲストハウスなどにも平気で宿泊する。しかし、体調の悪い時は、別に直接会うわけでもないのに、オンライン上でも若者の熱量の中でやり取りする気にはなれないのだ。

写真を取り、商品説明をスマホで投稿する。この段階で既にヤフオクと違う。ヤフオクは、PCで投稿しやすい作りになっているのだが、メルカリはPCだと投稿がやりにくいのだ。例えば、PCで投稿すると下書きを書いてから、後から写真を掲載するようなことができない。写真中心+スマホファーストの思想でサービスが組み立てられているのだ。しかし、慣れてくるとYahooより格段に使いやすい。老眼でメガネをとらなくては投稿できないが、Yahooより投稿しやすいのだから、もう将来的なPtoPのフリーマッケとの勝負はついているなどと考えながら投稿していると、だんだん面白くなってきた。

投稿をすると、すぐにPVが2とか5とかついてくる。そして、1時間後に「いいね」が付き、半日もすると「コメント」がつく。発送するのが面倒だなあなどと思いながら、出品を停止してしまったことが数回ある。しかし、停止しても、中止しても、ヤフオクのようにお金はとられないし、再出品も簡単にできる。とても手軽なのだ。そして、3日後、とうとう椅子が1つ売れてしまった。当初、送料が1万円ほどかかるので、1000円くらいになればいいかと思っていた。メルカリは、基本送料は出品者持ちで、手数料が商品代金の10%と高い。だから、家具などは値付けや、大きさによって、殆ど儲からない物も出てくる。だんだん値下げ用と思って、定価の6割くらいから始めたのだが、そのままの値段で売れてしまった(^o^) 儲けも2万程あった。2万円儲かったというより、単純に売れたという感覚が魚を釣り上げた感覚なのだ。これは楽しい!それから、2000円で売れても送料が1600円かかり、儲けが400円というよなものも出品していた。儲けをあまり考えていないのだ。2000円が売価の場合、手数料が200円だから送料1600円を引くと、利益は200円だ。もっとよく考えると、ダイソーで梱包代が200円かかったのだ、ガソリン代を損している(^o^)。でも、楽しいからいいのだ。

気づいたのだが、こういう単純作業をやっている時は、離脱のことをしばし忘れることができる。単純作業でも、工場の単純作業のような場合は、おそらく離脱を忘れることはできないだろう。しかし、自分が主体的に出品し、お客さんのコメントに答え、売れたらなるべく早く発送しなければならないとなると、単純作業の中でもある程度の程よい緊張があり、やりがいもある。こういう時は、離脱を忘れることができるのだ。

僕は、不眠症の本を20冊近く持っている。これを既に3冊程出品し、販売した。1冊の儲けは、平均100円程度である。こんなに割の合わない作業を、せっかくリラックスできる時間に、わざわざ100円の利益を稼ぐために、普通、絶対やらない。しかし、メルカリの作業にはある種の鎮静効果があることがわかった。

一見、面白いのだからアドレナリンが出ていると勘違いすると思う。僕も最初はそう思った。しかし、会社でネットの仕事をしている時とは全く違う感覚だ。作業を続けていると無心になれ、ある程度やると、達成感がある。ネットの仕事はなぜかこれがない。そして、脈拍数をチェックしてみると、やはり70前半と僕にとってはとても低い数値だった。

スキージャンプの有名な選手で、ジャンプ直前まで順番待ちの時間に編み物をしている選手がいる。最初にそれを聞いた時、あんな高いところから飛び降りる前に、なんで編み物を?と思った。彼女は、無心になり、集中力を高めるためにジャンプの前に、編み物をするらしい。片目から見ると、何かに取り憑かれたように熱心に編みものに集中していて、これからジャンプ台から飛び降りていく選手だとは思えない。しかし、編み物という単純且つ達成感のある作業で心が満たされ、リラックス状態で集中力が高まるのだろう。

僕にとって、メルカリは、スキージャンプ選手の編み物と同じような効果があるのだと思う。メルカリの作業をしている時は、集中して作業しており、購入されると小さな達成感を得られる。そして、作業をしているにも関わらず何故かリラックスしている。

しばらくは、メルカリを利用して離脱の苦痛を忘れようと思う。

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