減薬の反省

今回は、減薬に対する私の反省についてまとめておきたいと思う。結論から言うと、減薬をもう少し長めにすれば、断薬後の回復期はもう少し楽だったかもしれないと反省している。

私が減薬したのは2018年7月28日〜2019年1月11日までの6ヶ月間だった。この間、一度は6錠程飲んでいた睡眠薬と向精神薬をデパス2錠とハルシオン1錠に減薬し、睡眠を2〜3時間程度取れるようにしてから本格的に減薬した。

しかし、減薬を始める前から既に殆ど毎日絶不眠のような状態だったので、この状態では身体が持たないだろうと、減薬を急いだのである。当時は、断薬さえ終われば3ヶ月くらいで、1時間程度は最低でも眠れるだろうと思っていた。3ヶ月間、絶不眠で身体が持つかどうかは、情報がない僕にとって大きな賭けだった。

しかし、結果的には断薬後1年経っても毎日絶不眠と肩の硬直が酷い毎日である。こんなことなら、30分でも睡眠を確保しながら2〜3年掛けて減薬した方がよかったかもしれない。

しかし、それは今振り返ってみればということで、当時は0〜3時間、眠れていても、慢性便秘、胃腸障害で食欲がなく、めまいや悪寒、火照り、歯痛・歯茎痛、喉の違和感、不定期な不安など不調のオンパレードで生きた心地がしなかった。それに比べれば、絶不眠と肩の硬直が固定化した今の状態の方がマシかもしれないとも思う。実際のところ、どちらが良かったかはわからないのだが…。

ただ、私のように既に常用離脱になり、睡眠薬をMAXで服用しても2〜3時間程度しか眠れなかったり、睡眠薬にプラスして向精神薬を医師に勧められている患者は、減薬しか不眠症回復の道はない。なぜなら、睡眠薬は既にGABA受容体を致命的に破壊してしまっているので、その損傷を修復するにはベンゾ系睡眠薬をへらす他は方法がないからだ。医師の勧めるように、向精神薬を追加服用してもGABA受容体は修復せず、更に正常なはずのセロトニン受容体を損傷することになる。ベンゾ薬と向精神薬を服用して眠れない患者は、2つの受容体を修復しなければならないのでより複雑だ。医師は、この辺のロジックを知っていて処方しているのか、単に睡眠薬が効かないから、短期的にでも眠らせることができる向精神薬を処方しているのかよくわからない。この辺のロジックがわかっていれば、向精神薬は処方しないはずである。そもそも、精神科医は、睡眠薬が耐性をつけているという感覚はあっても、不眠症を悪化させているという認識自体がないのかもしれない。

これから減薬を実行する人は、なるべく時間を掛けてやってほしい。具体的には、じれったい話だが12ヶ月以上かけるのが良いと思う。なぜ、12ヶ月かというと脳の細胞が再生するのが9ヶ月だからだ。12ヶ月もすれば、個体差はあれ脳はほぼ再生していると私は考えている。

ただ、何度もステイしていると、その量で常用離脱が始まるので、ステイ期間中の不安定な体調と精神状態に耐えられず、減薬ができない人が多いのも事実である。私も何度かステイはした。その間は、多少の離脱は仕方ないのである。僕の感覚では、ステイが長引くと、そこで常用離脱が始まり、ますます辛くなる。だから、僕の場合は、ステイの上限日数を決めて、その上限になったら、苦しくても減薬した。私には、その方法でよかったと思う。

しかし、1日で減薬する量を0.5〜1%にしていたのは減らす量が多かったかもしれない。もっと少ない単位で減薬し、時間を掛けた方よかったかもしれない。

私の場合、減薬の開始から最初の2ヶ月は非常に楽だった。睡眠時間も離脱も6〜7割は回復したと思われたのだ。しかし、その後は睡眠時間はほぼ0になり、肩の硬直や便秘が再発し、5ヶ月目くらいからは絶不眠と肩の硬直は固定化していった。5ヶ月目では、デパスは断薬が終わっていた。ハルシオンは1/2の減薬が終わっていた。デパスの断薬とハルシオンの1/2の減薬を1年くらい掛けて実施し、睡眠を確保していれば昨年の夏までくらいはほんの少しだが睡眠を取りながら、肩の硬直も緩和しながら減薬が実施できたかもしれない。

そう考えると、やはり減薬は年単位で考えたほうがいいというのは正しいのかもしれない。ただ、減薬中に絶不眠になる期間が長くなるもの覚悟しなくてはならない。

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減薬の反省” への7件のフィードバック

  1. はじめまして。
    コメントは初ですが、blogは以前からお邪魔しておりました。

    断薬から1年経つのですね。。

    市内ではありませんが近くなので、
    「頑張ってる方がいる!」とblogを見た時は驚きました。

    私も薬を飲み続けている現状から脱却に向けて、舵を切りたい。
    ですが、どの様な方法でいつからが決められず。
    又、今の私の状態で始めるのは不安で燻ってます。。

    私は、一昨年の夏に医師による一気変薬で、結果的に急な減断薬になってしまってました。

    本当に厄介な薬です。。

    1. 小春さん、こんばんは^_^。

      北海道なんですね。
      今はLineのチャットグループが凄く盛況なので、北海道か札幌グループ作ろうかと思っていたところです。やはり、近くだと何かと心強いですよね。

      僕の感覚だと、断薬は良い医者や施設を探している間はうまくいきませんよ。結局、自分の問題で医師は殆どの場合、なんの役にも立ちませんから。

      情報を集めて、心のチェックアウトをすることが、1番重要だと思います。

      1. ありがとうございます。
        心のチェックアウト目指し、行動したいです。
        薬は違えど、shinさんが残してくれているblog達・つぶやき等、見る事が出来るのは、ありがたく嬉しく思います。

        こちらのblogに出会ったのは、丁度1年位前ですが、当時の私は身体も頭も大混乱していました。その頃の辛どさよりは大分落ち着き、不安感は薄らぎ、買い物や食事も少し作れる様になりました。

        未だ頭の回転がスムーズにはいかず、この状態でスタートする事に不安があります。
        テキパキと行動出来ない自分が悲しくて。。
        でも息子も昨年社会人になり、今度は自分のこれからに目を向けて生きて生きていこうと思います。
        結局は自分で決め行動する訳ですから。。

        取り留めの無い文章でゴメンなさい。
        少しお兄さんで同世代のshinさんの姿に、暖かさを感じます。

        今年は雪が少ないですが、寒さはこらからが本番です。
        shinさんご自愛くださいね。

        1. 小春さん、こんばんは^_^。

          ベンゾとの戦いは長いですよねえ。
          正直、こんなに症状が変わらないので僕は半ば諦めています。

          現在でも毎日一睡もできず、肩はバキバキ、耳鳴りはMAXで鳴り響いており、よく精神的におかしくならないなあと不思議です。ただ、薬を抜いたことは、やはり良かったと確信していますよ。これだけ体調悪いのに死にたいとは全く思わなくなりましたから。

          少しでも楽しく、前向きに生きていきましょう^_^。

  2. こんにちは!
    私は不眠となり一年ちょっとですが薬は飲んでいませんが相変わらず寝た気がしません。
    寝てもなんとなく意識がある状態です。
    イビキをかいているのが自分でもわかるのです。
    病院には行って詳しく調べていないのですがやはり行っても無駄でしょうか?
    一年前の転落事故からなのですが事故の強烈なストレスで眠れなくなったのか事故で脳の神経がいかれたのか原因不明です。
    病院に行っても薬漬けになるだけと思うと怖くて行けません。
    普段は気にしないようにしてますが
    たまに心が折れそうになります。

    1. たけさん、こんばんは。

      寝た気がせず、しかし寝ているなら睡眠薬は飲まない方がいいですよ。
      病院で、詳しく調べても何もわからず、おそらく無呼吸症候群にされてしまうでしょう。その方が医師は儲かりますから。

    2. たけさん、はじめまして。
      私は、内科で出された睡眠薬がきっかけでした。
      向精神薬に繋がる敷居は低いです。

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