ナルコレプシー

絶不眠に毎日悩まされて忘れていましたが、僕は以前ナルコレプシーという病にかかったことがある。まあ、あれも精神科だったので診断自体がテキトーだったのかもしれないが….。考えてみればあれも睡眠異常の一種、その頃から不眠症になりかけていたのかもしれない。

「ナルコレプシーとは、日本語名 居眠り病とは、日中において場所や状況を選ばず起こる強い眠気の発作を主な症状とする睡眠障害」

今、絶不眠の僕がこの病の定義を見ると「なんて幸せな病」なんだとしか思えない。ところが、19年前、2000年くらいに僕はこの病に悩んでいたのだ。

ことの発端は、東京出張の時に起こった。当時、僕は外資系のIT企業で働いており、札幌のオフィスから本社のある赤坂見附まで2週間に1回くらい通っていた。札幌の自宅から東京の本社オフィスまで約4時間、飛行機を入れて7回乗り換える大移動なのだ。しかし、その日、僕は札幌の地下鉄に乗った後の記憶が全くなく、その次の瞬間ワープして赤坂見附の駅についていたのである。そう、札幌の東西線に乗った瞬間から赤坂見附駅まで3.5時間の記憶が完全に飛んているのだ。

東京のオフィスについて、すぐに僕が仕切っているミーティングがあったので、会議室にメンバーを集めて会議を行った。最初に僕がパワーポイントでプレゼンをする予定になっていたのだが、その途中で話をしている途中で寝落ちてしまった。あたかも気絶するように。起きた瞬間、何が起きたかわからなかったが、みんな笑っていた。そして、1人が言った。

「Shinさん、買収とかあって、疲れてんじゃないの。札幌で休んでたほうがいいよ。ガハハハ」

僕もそうだねと言いながら笑っていたが、その時、ことの重大さに気が付かされた。次の日に札幌に帰り、すぐに病院に行って、症状を相談すると精神科に行けと言われ、ナルコレプシーだと診断された。

当時はナルコレプシーの原因はよくわかっていなかった。2000年前後、僕はプライベートでは離婚、仕事では会社が買収されるというかなり厳しい状態だったので、精神的にまいっているのかと思っていたのだが、医師によるとそうとも限らないということだった。

当時は、ナルコレプシーの治療法はなく、対処法としてリタリンという覚醒剤に近い劇薬を頓服薬として携帯し、どうしても眠くなったら服用して、日中活動することに慣れ、自然治癒に任せるといのが治療方針だった。

僕は、もともと人より睡眠時間が多く、いつも睡魔と戦っているタイプの人間だった。40を過ぎても10時間くらいは平気で眠れたし、疲れていると土日などは12時間眠って午後頭が痛くてダメダメな1日をよく過ごした。電車では必ず爆睡するし、バスで立っていても酔っ払ってもいないのに、眠ってコケたこともある。自分で運転していても、30分おきに眠くなりパークエリアで頻繁に休憩を取っていた。こんな睡眠体質だったから、ナルコレプシーになるのはなんとなく納得感があった。

さて、リタリンは危なそうな、とんでもない薬だった。最初に服用した時、30分もすると100mを10秒で走れるような気がし、空を飛べる気がした。そう、プチハイになるのだ。そして、眠気は吹っ飛んだ。医者も言っていたが、この薬はかなり危ないと自覚し、半錠を半月くらい使って止めた。しかし、その後は2〜3年、ナルコレプシーは起きなかった。

その後、軽いナルコレプシーが2〜3回起こったが、いづれもリタリンを処方してもらい半月くらいで治った。

今考えてみると、この頃から僕の不眠症は始まっていたのかもしれない。もちろん、ナルコレプシーの病歴も初診の際には、必ず書面で医師に渡している。しかし、そういった過去の病歴や病状を参考に不眠症治療に取り組んだ医師は皆無だった。

繰り返されるのは、マイスリーから始まって向精神薬で終わる、魔の無限ループだった。

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ナルコレプシー” への2件のフィードバック

  1. ナルコレプシー
    初めて聞きました。
    不眠症の発端かもしれない病を経験していたんですね。

    私は一番オーソドックスなパターンかも知れませんが、「うつ病」の発症が不眠症の始まりでした。

    私もshin様同様、元々は
    「いつでもどこでも眠れる」タイプでした。
    だから眠れなくなってしまった時、混乱しました。
    うつが寛解後、再発の度に最初にでる症状が不眠で、現在、うつの寛解後3年以上経ちましたが、睡眠障害だけが残りました。

    不眠症になって初めて
    「眠れる」ことのありがたさを実感してます。

    私は、まだ減薬途中ですが、お互いに薬なしでも、ぐっすり眠れる日を取り戻すまで頑張りましょう。

    1. 僕はよく眠りましたが、寝付きは悪かったです。

      絶不眠47日目でもう何もやる気がなく、憂鬱な毎日で、とにかく30分でも眠りたいです。

      お互い減薬・断薬を頑張りましょう。

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