不眠と脈拍数

不眠と脈拍数には密接な関係がある。1.ベンゾ常用期→2.向精神薬常用期→3.ベンゾ再服用期→4.ベンゾ減薬期→5.ベンゾ断薬後(番号はグラフ中の番号と一致)の安静脈拍数の動きを見ると、不眠と脈拍数の関係がよくわかる。以下ではそれぞれの期間中の睡眠状態、離脱、脈拍数についてそれぞれ見ていこう。

1.ベンゾ常用期

この時期の脈拍数は60〜70で比較的安定している。おそらく、ベンゾで鎮静効果を無理矢理に発現させ、数時間の睡眠を確保していたのだろう。

私はベンゾを2011年から常用している。2015年には、既に4年間に渡り睡眠薬を服用していたので、既に耐性が付き、睡眠薬を服用しても既に3〜4時間しか眠れていなかった。月に数回は絶不眠日もあたっと記憶している。しかし、おそらく日中も弱くベンゾが作用していたのだろう。日中に眠気は頻繁に感じていた。

だから、睡眠薬はハルシオン、ルネスタ、ドラール、マイスリー、レンドルミンなどをとっかえ引っ変えしながら組み合わせて服用していた。この時期、既に胃腸障害や背中の痛みを発症していたが、離脱としての認識はなかった。今思うと様々な体調不良はこの頃から定期的に生じていたが、それらすべては、加齢と睡眠不足が引き起こすものと信じ込んでいた。

2.向精神薬常用期

この時期の安静脈拍数は、7月の65から年末年始にかけて85まで急上昇している。安静脈拍数が85というのは、朝方の起き抜け時に歩いているときくらいの脈拍数だということだ。つまり、日中は座っていても100以上の有酸素運動時くらいの脈拍数になっているということだ。こんな状態でリラックスなどできるわけがない。

2017年7月下旬、私はバンコクで不眠治療を2週間程度受け、その後6ヶ月で2回通院し向精神薬を睡眠薬の代薬として処方してもらった。(詳細は、ブログの2017年7月〜12月を参照してもらいたい。)セロクエル、リフレックス、Deanxit、Circadineというとても強い向精神薬を服用し、睡眠薬を一気に止めたので、その離脱と副作用で、とてつもない体調不良に襲われた。

この時期の睡眠は、睡眠というより気絶に違い。1日中、風邪をひいたいように身体が熱く火照り、ベッドに入るとその熱で感覚がなくなるという感じだった。起きた時も身体は火照っていて、眠った感じが全くなかったのを覚えている。それでも1日、4時間程度は眠れていた。ところが、睡眠時間は1ヶ月に1時間づつ短縮化していき、11月にはまた絶不眠に戻ってしまった。残ったのは、得体のしれない体調不良だった。向精神薬のせいか、こんな状態なのにそれほど精神的に落ち込んではいなかった。

あまりの体調不良に加え、絶不眠になったからには、向精神薬を飲む必要性を全く感じられなくなった。そこで、私は信頼も信用もできなくなった医師に助言を求めず、勝手に向精神薬を断薬し、睡眠薬を再服用した。

3.ベンゾ再服用期

この時期、脈拍数は85に達し、1月下旬でピークアウトし、徐々に低下し4月くらいに70前後まで下がっている。向精神薬を急激に止めたため脈拍数は高値を1ヶ月弱維持したが、そのうちベンゾの鎮静効果が発現し、だんだんと安静脈拍数は低下してきたものだと思う。

2018年1月は、向精神薬を短期断薬したせいで、激しい離脱症状に襲われた。脈拍数はしばらく85のレベルをキープしていた。当時、私は安静脈拍が100、120、200と上がり心臓に負担がかかりすぎて死んでしまうのではないか。それなら、その方が楽だと当時は本気で思っていた。それほど、この時期の離脱症状は辛かった。生まれてからこれほど体調の悪い時期は、今まで一度もなかった。

離脱は、肩や首の硬直、便秘、胃腸障害、めまい、吐き気、火照り、悪寒、不安増大、頭の締め付け、ヒステリー球、喉のイガイガ、離人感など、もう思い出せない程の数の不調が一気に発症した。そして最終的には希死念慮に取り憑かれ、どうやれば楽に死ねるかばかり考えていた。

睡眠時間は、睡眠薬を再服用するようになってからは少しとれるようになったが、それでも1日平均1〜2時間だった。昼も夜も妙に頭が冴え、ハイになっていた。

4.ベンゾ減薬期

睡眠薬を再服用して、少しづつ脈拍数は低下、安定してきたが2018年6月頃になると、また睡眠時間が殆ど取れなくなり、絶不眠が週に何度も起こるようになってきた。もう向精神薬に戻ることもできないし、睡眠薬を変薬しても、またすぐに耐性がついてしまう。そして、向精神薬以降、ひどい離脱症状という体調不良を抱えるようになってしまった。もう一度、不眠症について色々調べていくうちに、断薬が不眠症の最後の治療法だと確信した。

減薬を始めると、安静脈拍数は一時的に70から65に下がるのだが、その後徐々に上昇し、断薬終了前後には80前後まで上昇した。これは、減薬の過程で体内のベンゾ血中濃度が低くなり、劣化したGABA受容体ではGABAの鎮静作用が発現されないため、身体が過興奮の状態になるからだと推測される。

この時期の睡眠はとても不思議な変化を見せた。減薬初期は、ベンゾの血中濃度が低下しているはずなのに、なぜか睡眠時間は長くなり安定してくる。しかし、睡眠が回復したのは最初の2ヶ月程で、そこから徐々に睡眠時間は短くなり、不安定になってきた。減薬時期の睡眠の変化は今でもよく理解できていない。

この時期の離脱は、向精神薬の離脱に比べれば大したことはなかった。最も辛かったのは、肩の硬直と便秘だったが、向精神薬のときのように歩けなくなるくらい酷い体調不良にはならなかったし、死にたくなることも全くなかった。常用時には日常的に生じためまい、吐き気、喉の違和感、不安増大などは、どんどん良くなっていった。反面、肩の硬直や便秘は回復しなかった。

5.ベンゾ断薬後

ベンゾ断薬後の脈拍数は、80から70に徐々に低下し、6月から65で安定している。

ベンゾ断薬後の睡眠は、悲惨だ。断薬が完了したのは2019年1月11日だったが、その後は4ヶ月間、ほぼ一睡もできていない。そして、5月から30分程度の意識の瞬断が1〜2日おきにある程度だった。1日平均睡眠時間で言うとおそらく10分にもならないと思う。まだ、眠れたという実感は全くない。ただ、意識の瞬断が頻繁に生じるようになった5月は、安静脈拍数が70未満の日が多くなっている。

この時期の離脱症状は、肩の硬直のみに限定され、他の離脱症状は断薬後2週間程度ですべて解消し、再発することはなかった。

追記

5のベンゾ断薬後について追記がある。どうも、この期間の脈拍数低下は自然治癒+アロチノールの効果だったことが7/3にわかった。6月下旬から7月上旬にかけてアロチノールを服用していなかったのだが、この時期は脈拍数が上昇し、70〜71で安定し、60台には下がらなかった。そして、70に上昇した日を堺に、絶不眠が再発、肩の硬直が悪化した。2週間我慢したが、特に肩の痛みに耐えられずアロチノールを2.5 mg服用すると、脈拍数が69に下がり、また以前のように30分程度眠れた。つまり、4月に77まで上昇した安静脈拍数が64まで一気に落ちたのはアロチノールの効果だったし、その後も頓服で飲んでいたアロチノールの効果があり60台をキープしていたのだ。それでも、以前のように安静脈拍数が80近くまで上昇することはなく、上昇しても70〜71なので、少しは回復しているのだろうと思う。ただ、まだまだ自然入眠できるには時間がかかりそうである。

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