不眠症とうつ病の関係

不眠症→うつ病、うつ病→不眠症は医者が最も好む病原のロジックだ。どちらも、確たる因果関係の証明もなく、テキトーに問診で診断してしまう。精神科医の十八番の診断ロジックである。しかし、私の場合、不眠症→うつ病のロジックも、うつ病→不眠症のロジックも医師の誤診だった。いや大嘘だったのかもしれない。私のとんでもうつ病誤診について話をしよう。

私は、生まれてこれまでうつ病だと診断されたことはないし、自覚したこともない。そもそも、うつ病という病気自体が僕は怪しいと思っている。例えば、「ストレスで心が弱くなっている状態」という病名だったら、原因の特定も今のような診断プロセスではできないはずだし、治療法も全く違ってくるだろう。うつ病というのは、診断後にどんどん処方量が増えていく一連の向精神薬処方のために作られた最も医師に都合の良い向精神薬処方用名称だと私は思っている。つまり、病があり処方薬があるのではない。既に、処方する向精神薬の処方パターンが決まっていて、そのゲートウェーネームがうつ病なのである。

話を戻すが、不眠症とうつ病は全く別のものだ。もし、貴方が医者から「不眠症とうつ病は併発しやすい」などと言われたら、まず、それは嘘だと思ったほうがいい。その方が、睡眠薬と向精神薬の両方を処方することができ、しかも、闘病が長期化、永遠化しやすいからなのである。

そもそも、何日も一睡もできない絶不眠の状態を続けていたら、どんな人でも、気持ちは暗くなり、精神的に不安定になる。しかし、それはうつ病ではない。

信じられないことに、なんと睡眠薬の離脱でうつ状態になっているのだ。

精神科医というのは睡眠薬を処方し、耐性ができて効かなくなってくると、今度は向精神薬を処方するために、今までの診断をいとも簡単に変えてしまう。それまでの診断では「ストレス源不眠症」だったのを、いとも簡単に「うつ病源不眠症」に変えてしまうのだ。呆れてものが言えないが、殆どの不眠症患者は通院してしばらくすると、向精神薬を処方されるはずだ。最近は、厚生省からベンゾの長期処方に対する指導があったので、処方しやすい向精神薬を睡眠薬の代替として処方している医者も多いようだ。不眠症で通院しているのに、うつ病にされそうになっている方は本当に注意して欲しい。何度か否定していくうちに、診断ではなく、単に「貴方は、うつ病だ」と説得してくるから本当に注意して欲しい。

それでは、なんで睡眠薬でうつ状態になるのだろうか?一見、睡眠薬とうつ状態は全く関係ないように思える。いや、睡眠薬は十分な睡眠をとって、すっきりさせてくれるので、かえってうつ状態を撃退してくれるのではないかとも思えてくる。

しかし、睡眠薬は確実に精神を蝕んで行くのだ。睡眠薬、特にベンゾ系睡眠薬は、その主作用は3つある。

1.鎮静作用(睡眠作用)

2.筋弛緩作用

3.精神安定作用

これらは、短期的には実際に効果があるのだ。しかし、この効果がありすぎると身体はバランスを取るために、脳のGABA受容体というところの機能を退化させてしまうのだ。

例えば、睡眠作用が効きすぎると昼間の活動に支障を起こさないように、鎮静作用が効かないように睡眠薬が作用するGABA受容体を退化させて身体をバランスさせようとするのだ。つまり、同じ量では薬が効かなくなってくる耐性の形成なのだ。そして、素の状態では以前より増して覚醒してしまうのだ。つまり、鎮静とは逆の状態で、睡眠に置き換えれば不眠が悪化するわけである。

この逆作用とでも呼べる症状は、離脱症状と呼ばれ、鎮静作用だけではなく、筋弛緩作用、精神安定作用などにも同じように生じる。つまり、

鎮静 → 覚醒

精神安定 → 不安増幅

筋弛緩 → 筋硬直

睡眠薬服用中に生じる得体の知れないうつ状態は、睡眠薬の離脱症状なのである。

睡眠薬が効かなくなり常用離脱を起こすようになると、精神状態はますます悪化し、自分でもうつ病だと思える状態になることがある。私も、実は自分は自覚がないだけで、ずっとうつ病だったのではないかと悩んだことがある。あの時の精神状態は、気持ちが塞ぐとか、暗いとかいうレベルのものではなかった。私も流石に、この時は、「これはうつ病」だと確信した。しかし、それもうつ病ではなかった。

常用離脱時のうつ状態は、それまでの気分が塞ぐなどというレベルものではなかった。何者かに精神的に支配されているような感じがした。ムンクの「叫び」のように自分の周りに何かが覆っていて、それがどんどん迫っているような気がした。何日も一睡もしていないのに、目はらんらんとし、胸は常にバクバクと動悸がちで、恐怖と心配、焦燥感が入り混じり、じっとしていられない。恐怖で、真冬の零下15℃の雪が吹雪く真夜中に、目的もなく、家の周りを彷徨い続けた。そうでもしないと、消えてしまいそうな気がした。

いくら辛いことがあっても、ストレスが溜まっても、あんな状態にはならない。少なくとも、私は…。私はあんな状態になったのは、あれが初めてだった。あとからわかったことだが、これが離脱のクライマックスのアカシジアだ。うつ病ではない、薬に作られたうつ状態なのだ。

「もしかしたら、睡眠薬や向精神薬自体がこの得体の知れない精神状態やすべての体調不良の原因かもしれない。」 

そう思い出したのは、この時だった。このアカシジアに限らず、軽いうつ状態はこの2〜3年ずっと続いていたが、不眠によるものだと信じ込んでいた。

しかし、それは全くの誤解だった。

現在、私は向精神薬、睡眠薬の断薬を2019年1月11日に完了し、10ヶ月目である。回復期間といっても、睡眠薬を断薬しているため、不眠は以前よりずっと悪化した。ところがうつ状態どころか、精神状態は極めて安定している。また、数え切れないほどあった体調不良も殆ど完治した。あとは、睡眠の回復を待つばかりである。

あの得体の知れないうつ状態やアカシジアは、すべて睡眠薬の離脱だったのだ。

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