不眠症解体新書 不安

コメント欄の書き込みやPMで、不眠が原因で、不安だとか、うつ状態だという悲痛な相談をよく受ける。そういう方の多くが、不安やうつ状態の7割くらいの原因が不眠であり、残りの3割くらいは自分の置かれている不遇な環境や周囲の理解がないことだと訴えている。しかし、おそらく、その思い込みこそが不安の原因を複雑化させ、悪化させる原因になっていると私は思う。

私のケースでは不安やうつ症状の原因は、不眠とは全く関係なかった。また、不眠症のコニュニティでも回復に向かっている人からは、同じような意見をよく聞く。私の場合、睡眠薬の減薬を進めると、不眠は一時的に軽減されたが、減薬開始後3ヶ月以降はどんどん不眠が悪化し最終的には一睡もできなくなってしまった。しかし、不安に関しては減薬していく過程で、どんどん解消されていき、精神的にも安定していった。そして、断薬後は一睡もできずに1年半ほど過ごしたにも関わらず、落ち込みはしたものの、以前のように頭にめまいのようなものを感じ、心が「ヒューっと」寒くなる、イメージで言うと正にムンクの叫びのような精神状態になることは全く無かった。

私も以前は、不安は、すべて不眠によるものだと勘違いしていた。しかし、睡眠薬を断薬してわかったのは、不安と不眠は全く関係ないということだった。不安を起こしていたのは睡眠薬の離脱だったのである。

医師が不眠症患者に手こずり、面倒になると、必ず「不眠が原因でうつ病になることが多いので、抗うつ剤を処方しましょう。」などと診断を出す。不眠症薬も抗うつ剤も向精神薬である。どちらも、離脱があり、抗うつ剤などを服用したら、一時的には躁状態になっても、離脱によって、症状は悪化し、なおさら不安が悪化するだけなのである。私は、正にこの精神科医の悪の手で「底打ち」を経験させられた。

不安の原因を不遇な環境や周囲の不理解のせいにするのも、薬害不眠症の本質的な問題解決にはならないと思う。もし、不眠症になる前から不遇な環境や周囲の不理解が原因で、精神が不安定になり、それが原因で不眠症になったのであれば、それは薬害不眠症ではない。それを解決しなければ、不安も不眠も解消されないのだ。それは、人に相談しても解決できる問題ではないのだ。

私も常用離脱で最も苦しんだときは、気持ちがネガティブになり、不安をすべて、自分の置かれた境遇のせいにしていた時期がある。しかし、それも殆ど関係なかった。なぜ、そう思うのか? なぜなら、私の不眠症に対する周囲の理解は今でも殆ど変わっていないし、周囲の環境も、今でも当時と殆ど変わっていない。自分で一歩踏み出し、改善できるところは多いのだが、まだ、そこまで元気になっていないので、環境を改善できてはいない。しかし、精神的には安定しているし、不安も殆どない。つまり、自分の置かれた環境も不安とは殆ど関係ないのである。

もし、貴方が薬害不眠症なら、今感じている不安は、睡眠薬や向精神薬で作られ、増幅された不安なのである。そんな不安は、薬を断薬すれば少しづつだが、確実に必ず解消する。それでも、幾ばくかの不安は残るかもしれない。しかし、それは人間として感じるべき自然な感情であり、感じる方が正常なのである。

不安の原因は、不眠ではなく、睡眠薬だったのである。

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不眠症解体新書 不安” への2件のフィードバック

  1. shinさん、お久しぶりです😊
    色々ありましてご無沙汰しておりましたが、また時々こさせてもらいますね。

    断薬後は2年以上経過しました。
    一時、体調と不眠が振り出しに戻ったかのような状態が続いた時期もありましたが、現在は日常生活に支障のない程度で元気にやっております。

    shinさんも行きつ戻りつはあるようですが、前に進んでますね。

    「薬害に特効薬はなし」ですが、お互い自分らしく生きて行きたいですね!

    1. ゆうさん 

      ゆうさん、お久しぶりです\(^o^)/

      ゆうさんが急にコメントがなくなったので、実は私が何か気を悪くすることを申し上げてしまったのか?、それとも
      何かあったのかと心配しておりました。

      しかし、お元気なようで安心いたしました。

      >shinさんも行きつ戻りつはあるようですが、前に進んでますね。

      2月から少し眠れるようになり、今はまた絶不眠に戻ってしまいましたが、肩の硬直が少し緩んできたような気がします。

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