Tさのコメント
shin様へ
こんにちは。何度か質問させていただいたTと申します。今、常用離脱に苦しんでおりこの状態を抜け出すためには、減薬・断薬し脳の回復を待つしかないと理解はしているものの踏み出す勇気が出ずに途方にくれています。それというのも、減薬を始めた途端、絶不眠と離脱の悪化により寝込んでしまうのではないかと想定されるからです。62歳の年齢を考えると、寝込んだ体に鞭打って、薬を手に入れるために医者のもとに出向き薬を処方してもらうのは不可能であり、結果として一気断薬することになってしまうと思うのです。そこで質問なのですが、shinさんの場合、減薬に6ヶ月掛け、そのうち半分は絶不眠だったと伺っています。絶不眠そしてその後の断薬期間の絶不眠において、寝込んでしまうことはなかったのでしょうか。それともう一つ、離脱はどんなにひどい状態になろうとも耐える以外に方法はないのでしょうか。微躾な質問で申し訳ありませんがお答えいただければ幸いです。
Tさんから質問を頂いた。私も同様の経験があり、かなり同情した。年齢や寝たきりになってしまうことへの不安、離脱に対する不安など、僕も減薬前は恐怖心と不安で心のチェックアウトがなかなかできなかったので読者の気持ちが痛い程わかる。
不眠症で最もきついのは、体調そのものではなく、「回復の糸口や期間が見えない」ことだ。苦しくても、先に回復の希望があれば、人間は我慢ができる。しかし、その苦悩の先に同じような苦悩が続くと思うと、絶望し生きていく希望を失うのである。
このような迷いに対する考え方は、「もう失うものは何もない」ということを再確認することだ。常用離脱が発症しているということは、薬を服用しても眠れず、体調不良は悪化している状態なはずだ。離脱は、薬の量や服用期間に比例し、どんどん悪化していく。つまり、今より良い状態はないのである。時間が進めば進む程、不眠も体調も悪化し、その後は底打ちし末期がんのような状態になる「天国への階段」状態なのを自覚しなければならない。
常用離脱の進行というのは、そういうことなのである。英語でNo Way Outという言葉があるが、常用離脱とはまさにNo Way Out、つまり出口がない将棋の「詰み」の状態なのである。
ここから抜け出すには、自分がはまっているゲーム自体をぶっ壊さなければならない。ゲームでは、既に詰んでいるので勝ち目はない。だから、負けたゲーム自体から脱出するわけだ。つまり、「精神科と睡眠薬」というゲームから自分の心と身体を解放し、その後数年かけて自分の脳の障害を修復していくしか回復する方法はないのだ。
その過程で、絶不眠になったり、日常生活ができなくなったり、仕事ができなくなったり、寝たきりになったり、いろいろな心配があるだろう。私もそうだったのでよくわかる。もしかしたら、寝たきりになって死んでしまうかもしれない。もしかすると、そうかもしれない。
では、どうすればいいのか?それも簡単である。減薬せず、常用離脱を続ければいいのだ。それは、自分の選択なのである。
冷たいようだが、この2つしか選択肢はないのだ。私は、自分が置かれている立場や選択肢を書き出し、2つしか選択肢はないと悟った。そこから、気持ちの整理ができてブレずに減薬できるようになったのだ。
もう失うものがなく、選択肢は2つしかない。今まで来た道が駄目なら、他の道を試すしかないという当然の結論に帰着したのだ。
何度も言う。常用離脱まで行ったら、減薬しか回復の方法はない。少なくとも、病院に行っても解決はしない。他の常用離脱用の薬を処方されるだけだ。
薬害不眠症、その中でも非精神疾患系の薬害不眠症に限った話をすると、回復の糸口は減薬しかない。なぜなら、不眠症が長期化、悪化し体調がわるくなっているのが睡眠薬そのものが原因だからだ。答えはシンプルで、糸口は減薬なのだ。
次に、期間だが2年を目安に5年かかるか、10年かかるか100年かかると思っておけばいい。そんなにかかって、治療する意味があるのかと思われるかもしれないが、それなら服用し続ければいいのだ。正直、何年かかるか誰もわからない。おそらく、医師は誰も知らないし、薬剤メーカーもそんなお金と時間がかかるトレースはしていないはずだ。だから、誰に聞いてもそんな答えはないのだ。私は、減薬後すでに3年目に入ろうとしているが、依然、絶不眠がデファクトでたまに1〜3時間眠れる程度だ。ただ、多くの減薬体験者は2年くらいで3〜6時間眠れるようになっているので、それが目安になっている。それより長い場合は、あなたが前例を作っていくしかないのである。私はいつもそう考えるようにしている。
Tさんは、「離脱はどんなにひどい状態になろうとも耐える以外に方法はないのでしょうか。」と離脱の軽減方法も聞いている。私も過去に何度か同じ質問を日本や海外サイトの諸先輩に質問したことがある。残念ながらそんな方法はない。私は、既にサプリメントだけでも40種類近く試したが全く効果はない。全く0である。脳幹がどうのうとか、GABAがどうのうとか、セロトニンがどうのうとか色々言う人がいるが、私の知るところでサプリメントと回復の記録を時系列でログを残している人もいない。運動療法、サウナ、マッサージなどどれも全く効果はない。単なる気休めである。
未だに私は、何か良い方法はないか時間とお金をかけて探し求めているが今のところそんなものは見つかっていない。
抽象的だが、「丁寧に生活すること」、「適度な運動をすること」、それに「心の拠り所を持つこと」が重要だと感じている。それ以外には、離脱を軽減するための特効薬などないということを減薬する際には事前に認識しておくのも重要だ。