離脱と副作用の違い

離脱症状は薬の副作用と混同しがちです。僕も最初は、離脱症状が理解できず副作用と混同していました。

睡眠薬などに関連する離脱症状副作用は、どちらも薬に関わる体や心の反応ですが、原因や発症のタイミングが異なります。どちらも、複数の体調(精神)不良を発症しますが、離脱症状の方が期間が長く、複雑で、症状の種類も多く、患者は手こずります。

両者を、発症のタイミング、原因、症状などにわけて比べてみます。

1. 離脱症状

  • 発症のタイミング: 薬の使用を急に中止したり、減量した際。又は長期に同量服用した際
  • 原因: 睡眠薬の服用により、体や脳が薬に依存し、薬がない状態に適応できないことが原因
  • : 睡眠薬を中止すると、不眠、筋肉の硬直、めまい、焦燥感、イライラ、頭痛、吐き気、便秘、弱視、ヒステリー球など、確認されているだけで40以上の体調不良が発症
  • 考察: 離脱症状は薬を使っていたために依存が生じた結果、薬を減らすかやめたときに体が正常な状態に戻ろうとして現れるもの

2. 副作用

  • 発症のタイミング: 睡眠薬を服用している間に発生
  • 原因: 睡眠薬が本来の目的以外に体に影響を与えることによって生じます。薬の成分が体の他の部分やシステムに干渉することで、体調不良が発症
  • : 睡眠薬の副作用として、日中の眠気、めまい、記憶障害、口の乾きなどが生じることがあります。
  • 特徴: 薬の使用中に現れる不快な反応や有害な影響です。離脱症状とは異なり、薬を服用している間に起こります。

違いのまとめ

  • 離脱症状は薬を中止または減量した際に発生し、薬への依存が原因で現れます。
  • 副作用は薬を服用している間に生じ、薬の成分が体に予期しない影響を与えることが原因です。

どちらも薬に関連する現象ですが、発症のタイミングとメカニズムが大きく異なります。

副作用は、睡眠薬をやめれば、不眠に逆戻りしますが、体調不良の多くは、数日で解消されます。

一方、離脱症状は薬をやめると悪化・劇症化し、体調不良も同時多発的に生じ、時間とともに、体調不良の種類が変化し、その深度も変わっていきます。減薬・断薬すると、ある離脱症状は劇症化したあと、悪化したり軽減したりを繰り返し、その間に他の複数の体調不良が発症したりします。治癒の期間も人によって大きくことなり、断薬後3ヶ月で治る人もいれば、私のように5年経っても治らない人もいます。患者は、長期間に渡り、波打つように押し寄せる体調不良に戸惑い、耐えられなくなり、睡眠薬に戻る人も多いようです。また、肝心の睡眠については離脱症状の治癒とともにだんだんと自然に眠れるようになるようですが、私のように5年経っても1日1〜3時間しか眠れない人もいるようです。

ただ、1つだけはっきりしていることは、離脱は睡眠薬を止めないと軽減されません。もし、睡眠薬を服用していても、副作用も離脱も生じない場合は、無理して睡眠薬を断薬する必要はないのかもしれません。ただ、ここでも注意してもらいたいのは、離脱は睡眠薬を服用していくと、静かに進行していき、いつ発症するか本人には全くわからないということです。そう、サイレントキラーなのです。

断薬すると離脱がどのくらいかかって、どのくらい治癒されるかは、残念ながら誰にもわかりません。

重要なのは、睡眠薬を断薬して、たとえ眠れなくなっても、離脱は時間をかけ少しづつ軽減されていき、睡眠薬を使って無理矢理睡眠を取っていた時期より体調はよくなります。多くの断薬経験者が、同じことを言っていると思います。かなり時間がかかりましたが、僕はとても健康になりました。

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