今日お話しようと思っているのはアッシュトンマニュアルという睡眠薬を減薬しようとしている人達の間ではバイブルと言われているドキュメントについてです。
僕も自分の不眠や体調不良の状態がなんとなく理解できて、減薬を決心したのは、このドキュメントを読んだおかげなんです。
アッシュトンマニュアルは、イギリスのヘザー・アッシュトン教授が執筆しされたもので、彼女はもう1990年代に他界させているんですが、今でもベンゾ系患者が減薬する際のバイブル的存在になっています。
彼女の専門は、臨床精神薬理学という学問分野で、なんか難しいですよね。臨床精神薬理学というのは、精神疾患の治療において、薬物使用の効果や仕組みを研究する学問分野。つまり、不眠症患者や精神患者が服用する薬でどういう作用、副作用や離脱がでるかということをずっと見てきた先生なんです。
そんな人が、自分の患者300人を通して得た知見をまとめているのがこのマニュアルなんです。だから、ベンゾを長期間服用したら患者がどうなるかとか、それを治療するにどうすればいいかということについて詳しいわけですよね。
このマニュアルにどんなことが書いてあるかなんですが、ざっくりいうと、ベンゾの作用と副作用、減薬の方法、離脱症状についてです。
ただ、これが正解だという書き方ではなく、まだまだわからないことも多いが、今はこれが最善の方法だという書き方でまとめています。ある意味、信頼できますよね。
睡眠薬や抗精神薬で悩んでいる人達には重要な資料として、減薬のバイブルとされているんです。
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ただ、困ったことに日本の精神科医や睡眠外来の医師には、全く参考にされていません。僕も30年近く通院していて、14回くらい医師を替えているんでその都度聞いていますが、大体批判的ですね。当たり前ですよね、どちらかというと睡眠薬や抗精神薬の長期間の処方に否定的な立場で、だんだん薬を減らしながら治すというマニュアルなんで、医者が商売できなくなってしまいます。
日本の精神医療や睡眠医療というのは、睡眠薬や抗精神薬を処方し続けるか、無呼吸症候群にしてCPAPを常用させて、なるべく長く、半永久的に通院させるのがビジネスモデルです。だから、アッシュトンマニュアルは彼等にとっては、都合の悪いマニュアルなんですよ。ということで、医者にはとても評判の悪いドキュメントなんですよ。
アッシュトンマニュアルは、どちらかというと睡眠薬などのベンゾの常用に否定的です。日本にも、本当に少数ですがカウンセリングや生活習慣の見直しなどで治療してくれるお医者さんもいるようなんですが、私の住んでる札幌ではそんなお医者さんは皆無でしたね。もちろん、睡眠薬が原因で眠れなくなるなどと教えてくれるお医者さんにはあったことがないですね。
前置きは、このくらいにして実際どんなことが書いてあるのかをお話していきますね。
主な内容は3つです。
主な内容
1. ベンゾジアゼピンの作用(第1章) ベンゾジアゼピンは脳のGABA受容体に作用し、神経活動を抑制することで不安や不眠を軽減します。しかし、長期使用により耐性や依存が生じ、過緊張、記憶障害、感情の鈍化などの副作用が現れることがあります。
2. 減薬方法(第2章) 急に中止すると重篤な離脱症状(不安、睡眠障害、発作など)が起こるため、徐々に減薬する「テーパリング」が推奨されます。アッシュトンは、長時間作用型のジアゼパム(バリウム)に切り替えて減薬する手法を提案し、個別の減量スケジュールを提供しています。患者自身がペースを調整し、医師と協力することが強調されています。
3. 離脱症状と対処法(第3章) 離脱症状には急性(不安、震え、感覚過敏)と遷延性(長期間続く不安や認知障害)があり、その原因はGABA系の機能低下とされています。対処法として、非薬物的な支援(心理的サポート、生活習慣改善)や症状の理解が重要です。アッシュトンは、適切な管理でほとんどの人が健康を取り戻せると励ましています。
正直、アッシュトンマニュアルの減薬方法はあまり真に受けない方が良いと思います。日本人とイギリス人では体格も違うし、薬に対する反応も違います。僕の経験では、他の薬に置換するよりも、ちょっと辛くても服用している睡眠薬を水溶し、少しづつ減薬していくほうが得策だと思います。
また、離脱症状に関する対処方法ですが減薬体験者としてはっきり言いますが、離脱の解消方法として時間以外で効果のあるものはありません。僕もかなりのお金と時間をかけましたが、全く効果がありませんでした。これは、もう「忍耐」と「ごまかし」しかないというのが正直な私の意見です。
アッシュトンマニュアルは、ベンゾジアゼピンのリスクと離脱の現実を明らかにし、安全な減薬を支援する実践的な手引きです。教育的・研究的取り組みの必要性も訴えており、睡眠薬などの減薬治療における金字塔として評価されています。
アッシュトンマニュアルを始めて読む人は、結構難しいと思います。医療専門用語の翻訳が変なところも多く、日本語的によく意味がわからないところも結構多いです。
ただ、細かいことはさておいて、一読して、なんとなくでよいので、ベンゾを服用していると、脳がおかしくなって、副作用と離脱で睡眠も健康も悪化し、どうにもならなくて、減薬するともっと悪くなるんだ。しかし、健康状態を取り戻すにはゆっくりと、注意深く減薬するしか方法がないというざっくりとした内容だけ読み取っていってもらえればいいと思います。
僕も、なんで何年も通院して、いろいろな睡眠薬や抗精神薬を使っているのに、不眠は悪化し、体調も悪くなっていくのかと何年も悩んでいたんですが、アッシュトンマニュアルを読んで、納得でき、減薬を実行する決意が付きました。
皆さんも、ネットでアッシュトンマニュアルと検索すれば、簡単に手に入りますので、よかったら読んでみてくださいね。
初めまして
半年前にベンゾで不眠になったヨモギと言います
ただトイレに目が覚める事を相談しに行っただけなのに、
エチゾラム、フルニトラゼパム、レンドルミンで億倍酷い不眠にされました
現在ベンゾ断薬2ヶ月、デエビゴのみ服用で3時間程の睡眠です
1年経てば今より間違いなくマシになってるとは思いますが、
思うように回復しなかったら…と不安でいっぱいです
Shinさんは完全断薬して4、5年と聞いていますが、現在の回復具合はいかがですか?
少しずつでも回復されていますか?
Shinさんの回復を聞けると勇気がもらえます。差し支えなければ教えてください。
ヨモギさん、はじめまして。
断薬しても3時間程度眠れているなら、おそらく、それほど心配はいらないでしょう。
私の場合、睡眠については全く回復していません。
3日で1〜3時間くらい眠れればいいほうですが、もう慣れました。
たまに絶不眠が3〜4日続くことがあり、そういった時は流石に辛いです。
ただ、体調は本当によくなりました。耳鳴りと肩の硬直はまだありますが、その他の体調は
20代の頃よりよいくらいです。
あまり焦らずに、回復に努めてください。
今回、私が学んだのはなるべく病院に行かない方が良いということです。
ヨモギさんは経験されていないと思いますが、ベンゾを長期間服用すると、脳も体も変質してしまいます。
その回復過程で味わう辛さは想像を超えています。私の場合、もし病で命を落とすようなことがあっても、
あの苦しさを味わうなら、薬を服用せずに受け入れる覚悟はできるくらい病院と薬はもうまっぴらです。(^o^)