不眠症の辛さ、いや睡眠薬中毒の本当の辛さというのは不眠ではなかったのかということを減薬をすることによって知りました。不眠症、特に長期且つ重度の不眠症患者の本当の辛さは、離脱症状が起こす生き地獄のような様々な体調不良です。
私は、現在減薬して約3週間目で、不眠は以前より酷くなっています。しかし、体調が劇的に改善された結果、減薬前に比べるとかなり体が楽になりました。体調が良いので、眠れなくても、横になっていれば体も心も休まるのでしょう。減薬前と比べて、体や頭のダルさがかなり改善されています。うまく説明できませんが、減薬前に比べると脳も体も良くなっていることを実感しています。この調子で、減薬を続け、いつかGABA受容体本来の機能回復を果たし、自然な眠りが来ることを願って毎日治療生活を送っています。
【離脱症状が起こす体調不良】
長期間、不眠症状態が続くと、様々な体調不良に悩まされます。これが、長くしかも緩慢なプロセスで進行していくので、本人は、不眠が原因だと思いこんでしまいます。そして、どの医師に訪ねても不眠と加齢が原因だから仕方がないと答えます。だから、不眠症患者の殆どは、体調の不振は不眠が起こしている身体の各機能の機能低下や機能障害かと思いこんでしまうのです。僕も8年間、体調は寝不足からきているものと思い込んでいました。その多くが、睡眠薬の離脱症状によってもたらされる薬害だったのです。
僕の場合、8年間、ありとあらゆるベンゾ系睡眠薬を使ってきましたが、特に過去3年間は体調不良の百貨店でした。「断薬」関連の本を読むと離脱症状は生き地獄だと表現していますが、私も同感です。
僕が経験した主な体調不良は:
肩と首の硬直により酷い凝り
背中の凝り
喉の腫れ、違和感、ぶつぶつ
便秘
胃腸障害と食欲不振
視力の急激な低下
めまい
吐き気
アカシジア
酷い耳鳴り
などが主な体調不良です。また、味覚障害、筋肉痛異常(筋肉痛がない)、性欲消失、やる気が無い、食欲不振など生理的な「覚」や「欲」がすべておかしくなっている感覚がありました。
【Twitterやブログなどで離脱症状をしらべると】
断薬という不眠治療の道があるのを知ってから、断薬経験者の方のブログやTwitterをもとに、不眠症患者が経験している主な離脱症状をまとめてみました。
心血管:頻脈
歯科:口の乾燥、歯痛
内分泌系:甲状腺機能低下症
整形外科系:硬直症候群、神経痛
胃腸:胃炎、過敏性腸症候群
心療系:神経痛、耳鳴り、めまい、アカシジア
生殖器:勃起不全、不規則な月経
僕もそうでしたが、上記の症状を病院に伝えると様々な医科にたらい回しにされ、無責任且つ不必要な検査や治療を受け精神的にも消耗してしまいます。
今でも考えられないことですが、これら一見何の関係もない症状が実は睡眠薬の離脱症状が原因で起きているのです。しかも、断薬決断者の多くは、同時に5~10の症状を発症しながら生き地獄のような毎日を送っているのです。
【絶不調だったら睡眠薬を疑ってみよう】
あなたがもし、長期間不眠で悩まされ、体調がどんどん悪化していたら、まずは睡眠薬自体を疑ってみましょう。そして、減薬の一歩を踏み出すことです。
不眠少患者が一番最初に心配するのは、減薬したらもっと眠れなくなるということです。私も3週間前同じように悩みました。「睡眠薬を飲んでいても眠れないのに、減薬したらもっと眠れなくなる。そうしたら日常生活が送れなくなってしまう、どうしてよう!?!」とこんな感じです。
実際、減薬をしたら睡眠時間も日数も減りました。減薬前と減薬後の睡眠状態は以下の通りです。
減薬前:1日平均2時間、絶不眠日が月に3~5日
減薬後:1日1~3時間、絶不眠日は15~20日(月換算)
上記は大まかな減薬前、減薬後の睡眠状態ですが、睡眠状態は悪化しています。しかし、体調が劇的に改善しました。
首と肩の硬直: 8割方回復
便秘: 完治
胃腸不振: 完治
めまい: 完治
吐き気: 完治
喉の違和感、ぶつぶつ: 完治
体調が劇的に改善したことにより、減薬前より睡眠時間は短いのですが、身体もメンタルも非常に楽になりました。
減薬・断薬経験者によると、減薬により脳のGABA受容体の機能が回復しながら眠りが戻ってくるのには3~6ヶ月くらいかかるようです。現在の体調がキープできれば、3~6ヶ月は睡眠時間が減っても、全く問題なく耐えられると思います。
僕は、「断薬・減薬」という不眠治療法にたどり着くまで、とてつもなく長い回り道をしてきてしまいました。不眠症、睡眠障害に長い間苦しめられて来た方は、減薬・断薬というソリューションがあることを早く認識していただきたいと思います。