不眠のレベル

不眠についての自己診断や治癒過程の心構えなどは、やはり同士のSNSやブログ情報が最も信頼性が高く、有益である。

先程、「不眠日記」というブログを読んでいたら不眠のレベルを4つに分けていた。この分類は、非常に興味深いので紹介しておく。

 入眠分類

 A 脳の疲れを感じず、自信がないのに寝れる偶然のような入眠 (シャッターが閉じるような入眠)

 B 脳の疲れ(=重痛さ)を感じつつ、入眠

 C 脳の疲れを感じてるのに、入眠困難

 D 脳の疲れを感じず、入眠困難

「脳の疲れ」というのがポイントだ。つまり、不眠は単に「眠れない」という症状以上に、「疲れを感じる状態」と「疲れを感じない状態」があるということだ。僕もこの分類方法は、非常に共感する。

僕の場合、Dは入眠困難ではなく、入眠不能とするだろう。殆の不眠症患者は、BかCの状態で断薬を始める。僕の場合、完全にDで始めて、断薬後3ヶ月経ってもDの状態がずっと続いている。

「不眠日記」の管理人さんは、僕のように断薬後に絶不眠が3ヶ月続くような酷い不眠症ではない。断薬直後から1時間程度は眠れていて、絶不眠がよく在るというレベルの不眠症だ。3ヶ月目には既に少しづつ眠れるようになっている。管理人さんの睡眠薬の常用期間も1.5年と短く、私の10年以上とは比較にならない。しかし、それでも、たった3〜5時間の浅い眠りができるようになるまで8ヶ月かかり、5年後でもまだ完治はしていない。

しかし、改めて自分の不眠症の酷さに辟易とする。「不眠日記」の管理人さんは、かなりブログやSNSで情報を収集されていて、自分は離脱はそれほど酷くないが、不眠のレベルが自分より酷いのは見たことがないとブログの中でおっしゃっている。しかし、自慢ではないが僕の不眠の酷さのレベルではない。自分より不眠が酷い人が見つからないのは、とても不安になる。彼もブログの中で言っていたが、自分より症状が重い人がいないということは、快方に向かった例がないということで、永遠に眠れないのではないかと、とても不安になる。

話を元に戻すと、僕の不眠レベルはDで、断薬3ヶ月後でCを1度も経験していない。僕の絶不眠は何年続いて、何年経ったら入眠できるようになるだろうか?反跳性不眠は、睡眠薬の離脱の一種だ。だとしたら、この肩の激痛も何年も続くのだろうか? 

「不眠日記」には、減薬後の治療期間を常葉まりこさんの著書の引用を引用して以下の4つのステージで捉えている。

ステージ1 漸減中

 個々の体質、服用期間、環境、及び薬物それぞれの力価、持続時間により症状の程度に違いがあるが、この期間に離脱症状を起こすことは稀ではない。

 処方薬が短時間作用型の場合は減薬から数日以内、中・長時間作用型の場合は1週間後~3週間以内に最も症状が強くなるケースが多いようだ。

この際に起こる精神症状により離脱者は「気が狂った」「もう2度と普通には戻れないかもしれない」「これは私のもともとの精神症状だ」と、思い込んでしまいがち。

 同時に、さまざまな身体症状が起こる。離脱者は健康な人からは想像が難しいほどの大きな苦痛に苦しんでいる。

 離脱の精神症状は気分転換をしてもすぐには回復しないので、「今は脳が勝手に辛さを感じさせているだけ、いずれ必ず楽になるから大丈夫」と声をかけてあげることが大事。

離脱者自身は離脱の精神症状によりポジティブな感情を感じられない状態なので、励ましに対する反応は良いものではないかもしれないが、周囲からの回復への確信がある態度と理解がとても重要である。

ステージ2 断薬後初期

 比較的強い離脱症状が現れる時期。

 薬を断ったのにもかかわらず、さまざまな身体症状・精神症状が現れるため、離脱者がもっとも不安になり、自信を失う期間である。

 情緒・記憶にもまだ多くの一時的障害があり、発言・行動にも一貫性がなく、不安・焦燥感・イライラが非常に強い。

 断薬後初期のこの段階は、再服薬のリスクがあるので、現状からは必ず回復していくことが繰り返し伝えて、励ますことが大事。

 絶望的な考えが浮かびやすいし、そういう考えに支配されがちだが、すべての絶望的な思考は中断しよう。

 希死念慮・うつの症状が強い場合は注意が必要である。

 この時期には、離婚・退職などライフスタイルの変化を希望する気持ちが起こってくる場合があるが、人生に大きくかかわる決断は、症状が緩やかになるまで棚上げしておいたほうがよい。

まずはコンディションに合わせ、できることは行い、できないことは行わないスタンスを保とう。

ステージ3 断薬後中期

 心がふっと楽になる瞬間が徐々に実感できるようになる。

ただし、まだ安定はせず、苦痛の期間のほうが多い状態。強迫的な不安やうつ、強烈な中途覚醒や不眠などの症状がなかなかフェードアウトせずに焦燥感が募る時期でもある。

思考・記憶力が徐々に回復してきている分、ネガティブなことに対して以前よりも具体的な想像をしてしまう。調子が良い時間と悪い時間の落差が大きく、ステージ2よりも主観的な苦痛が大きい状態である。

 身体症状にも長い間耐え続けているので、その疲労が出る時期でもある。

あまりに長い苦しみに離脱者はエンドレスの恐怖を覚えるかもしれないが、実際には順調に回復しているプロセスなので、それを繰り返し言い聞かせて自分を励ますことが大事。

えんえんと続く離脱の孤独感により、引っ越し・結婚・出産などを検討する傾向があるが、まだ人生の大きな決断は時期尚早であるので、慎重になったほうがよい。

ステージ4 断薬後後期

 精神的に楽な時間が増え、睡眠も徐々に安定し、体もそれまでよりも楽になっていく。

可能なら、適度な運動を取り入れて、無理のない体力づくりを心がけよう。

 離脱の精神症状と離脱者自身の感情との区別がつかず、それまでとは異なった不安定な感情を抱きがちな時期なので、その混乱を整理できるよう周囲のサポートがあるとよい。

この時期は離脱者が服薬前に自身が持っていた内的・外的な問題と対峙し始める時期であり、その作業に対する怖れの感情が起こりがちな時期である。

離脱性の不安とない交ぜになって不安定な状態になりやすいので、まだ深く物事を考えすぎないように気をつける必要がある。

離脱者は棚上げにしてきた問題に性急に取り組もうとしがちだが、まずはコンディションに合わせてゆっくり進めていこう。

ステージ5 回復

 日常生活を心から楽しめるようになり、自分の思考・感情が明確にわかるようになる。

この頃には自尊心も回復している。この状態になると離脱者が取り組みたい人生の課題が自然と明らかになる。

離脱者自身の力で対処できる場合は周囲はそれを励まし見守ってあげよう。

それが難しいケースの場合は、状況に合わせたサポート体制を整えることが大事。

僕をこのステージに当てはめるとしたら、ステージ2の断薬初期である。そして、このステージが離脱が比較的強くでるステージで精神的にも辛いとあるのだ。

これは目から鱗だった。僕は勘違いしていたのかもしれない。僕は今までの減薬体験から断薬後に便秘が一気に解消したので、肩の激痛も断薬後1ヶ月もすれば解消するものであると思っていた。

しかし、便秘の原因は、よく考えてみると睡眠薬の副作用でもあり、離脱症状でもあるのだ。減薬時に生じている便秘は、離脱症状なのか、副作用なのかは断薬してみないとわからない。

便秘があれほど早期に、より戻しもなく解消したということは、減薬中の便秘は既に、離脱性の便秘だったのではなく、副作用だったのかもしれない。減薬中に離脱性の便秘は解消してしまった可能性はある。

離脱による生じる便秘は実在する。それは、身をもって実感している。なぜわかるかと言うと、常用時1週間ほど薬を抜いても便秘は治らない体験を何度もしているからだ。しかし、離脱性の便秘はもしかすると減薬中に解消していて、減薬中に常態化していた便秘は副作用が起こしていた便秘なのかもしれない。

しかし、肩の激痛は離脱症状であって、副作用ということは無い。そして、ステージ2では、その離脱が最も強いステージだとある。比較的、弱い離脱は減薬ステージで緩和、解消され、最後に残ったのが肩の硬直である。そして、1月11日、肩の痛さがほぼマックスのレベルで、ジアゼパム換算でゼパス+ハルシオンの常用量の約1/3を一気断薬したのである。この反動が、断薬初期の今に発症しているのかもしれない。断薬前からほぼ同じレベルの辛さ、痛さが続いているのもそのためなのかもしれない。

そうだといいのだが。

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