常用離脱とは、医師に処方された正しい(?)処方量でもベンゾなどの向精神薬に依存してしまうことだと言われている。そして、ベンゾジアゼピン系薬物は、大量服用した場合だけでなく、常用量(承認用量)でもわずか数週間で身体的・精神的依存を生ずる危険性があり、中には錯乱、幻覚など深刻な離脱症状を生じる場合もあるなどと表現されている。
しかし、一番恐ろしいのは、薬を飲んでも効果が無く、副作用ばかりが生じ、体調が悪化し続けることだ。しかし、薬は飲んでいるうちに耐性が2週間もすればできるので、離脱を生じさせないために、また薬の量を増やさなければならない。そして副作用だか、離脱だかよくわからないが、どんどん体調が悪化していき、終いには自殺を考えるようになるまで追い込まれてしまうのだ。
稀に睡眠薬を飲んでGABA受容体が損傷し、絶不眠にまで至っても、離脱を生じない人もいる。そういう人は、日常生活をキープするために睡眠薬を飲み続けてもいいと思う。睡眠薬の種類や量を調節しながら、日常生活をなるべく変えずに綱渡りだが生きていくのも選択肢だ。
しかし、常用離脱が生じたらその選択肢はないと思ったほうが良い。常用離脱が生じた場合、薬の組み合わせや量の調節は、いたずらにGABA受容体の損傷を悪化させるだけだ。ブログなどの記録情報を元に、推察するとやはり服用期間、薬の種類、量は、回復期間の辛さや長さと比例する。
では常用離脱を起こした場合、どうすればいいのだろうか?
答えは明らかだ。減薬しか回復する方法はない。
もしかすると減薬はできても断薬はできないかもしれない。それでも、減薬すれば身体はかなり楽になる。なぜなら、減薬仮定で殆の副作用は解消され、多くの離脱症状も軽減されるからだ。
私の場合、正直にいえば減薬の初期仮定が過去10年間で最も体調が良かった。減薬を始めると、一時的に睡眠と離脱が不安定になったが、その後、睡眠も安定し、離脱は8割方解消した時期があった。しかし、減薬を進めると徐々に不眠が再度悪化、やがては絶不眠になった。そして、肩の硬直が最悪レベルで固定化した。しかし、数多くの体調不良はすべて解消した。
だから、人によっては減薬途中で減薬を中止し、そこでバランスさせながら生活を送るのも良い選択肢かもしれない。体内に残留するベンゾや向精神薬は、毒薬以外のなんでも無い。毒薬の種類と量が減れば、体調がよくなるのは合理的なのだ。断薬しなくても、ある一定レベルで上下しながら常用離脱が起こらないレベルがもしかするとあるのかもしれない。
常用離脱が一度生じたら自分で強い意志を持ち減薬しなければ、また同じことを繰り返し、やがては追い込まれる。追い込まれる精神状態が体調を更に悪化させ、希死念慮に陥る。そうなってからでは、遅いのだ。