睡眠と睡眠薬

不眠症になると様々な睡眠薬を使うが、患者は効果の有無以外には殆ど興味を示さない。私自体、薬の名称や効能は薄ら薄ら記憶していたが、それが何に、どう作用するのかということは全く知らなかったし、知りたくもなかった。しかし、この作用とその作用の引き換えに反作用があるのを知れば、睡眠薬は最初から使わなかっただろうと思う。いや、最初は不眠の恐怖で使ったとしても、そういう知識があれば、少なくとも、減薬・断薬へ辿りつく時間はもっと短かったはずだ。

今更になって睡眠薬は、どんな種類があるかをおさらいしてみよう。医者がよく差し出す睡眠薬のパンフレットは、睡眠薬の効果の時間別に分類されている。あれは、薬品メーカーのマーケティング用の分類で、睡眠薬の本質的なところには全く触れていない。

最も重要なのは、何時間効果があるかではなく、睡眠薬が脳のどの部分に作用して短期間睡眠を改善し、その後、同部分に損傷を与えるかだ。そういった観点から分類すると睡眠薬は、以下のように大まかに3種類に分類できる。

睡眠といのは、脳の睡眠(鎮静)システムと覚醒システムが睡眠優位になった時に生じる。この睡眠システムに作用するのがGABA受容体に作用するベンゾ、非ベンゾ系睡眠薬だ。GABA受容体系は、ハルシオン、デパス、マイスリー、レンドルミン、ルネスタなどがある。

そして、最近でてきた新薬としてベルソラムがある。これは、脳の覚醒システムに作用し、脳がオレキシンという覚醒を司る神経物質を取り込まないようにして、覚醒を抑制し睡眠を促すものである。

そして、同じく睡眠システムに作用するものとして、メラトニン受容体やセロトニン受容体に作用するロゼレムや向精神薬がある。向精神薬には、リフレックス、セロクエル、Deanxit、Circadianなどがある。

大まかには、睡眠システム系2種類、覚醒システム系1種類である。そして、どちらも神経物質の取り込みを賦活化させたり、阻止したりという不自然な影響を与え、睡眠を無理矢理発症させようとするのだ。

そして、2週間も経てば耐性ができる。耐性ができたといことは、簡単に言えば、影響を及ぼす受容体に損傷を与えたということだ。もはや、同じ睡眠レベルを維持するには、薬を増薬するか、変えるかするしかない。もし、しなければ不眠は悪化し、離脱を発症することもある。

つまり、どの睡眠薬を使っても、効果がある以上、作用している受容体を損傷させ、いづれは不眠が悪化し、離脱を発症するのだ。それは、GABA受容体系であろうと、セロトニン受容体系であろうと、オレキシン受容体系であろうと変わらないのである。

私の実体験から言うと、GABA受容体系、セロトニン受容体系は2週間もすれば、耐性ができ3ヶ月もすると睡眠は悪化し、離脱が発症した。

オレキシン受容体系のベルソラムについては、3回くらいしか服用しなかったので、耐性ができるまでは服用していない。しかし、脳の神経物質を操作して作用を発症させること、耐性ができることから、容易に反跳性不眠や離脱が発症するのは想像できる。

医者は、ベルソラムは依存性が無いと説明した。しかし、それはマイスリーの時も一緒だった。マイスリーは耐性ができにくく、依存性が低いと説明を受けたが、2週間もするとすぐに耐性ができた。医者の説明は、薬品メーカの受け売りで、九官鳥レベルだと思ったほうがいい。信頼も信用もできない。

もし、ある薬が耐性がないのであれば、逆説的だがそれは効果がない睡眠薬だということだ。睡眠薬とは、神経物質の取り込みを阻止したり、活発化したりすることによって無理に入眠を促しているのだ。そして、その作用は、耐性というソフトな表現を通して、いづれ脳に損傷を与え、逆作用を生じさせるのだ。結果的に、安定→不安、筋弛緩→筋硬直、睡眠→不眠に変わり、やがて、服用できる睡眠薬がなくなり、絶不眠に追い込まれる。

「睡眠薬は不眠を悪化させ、いづれは絶不眠に追い込む」それは、どの系統の睡眠薬を使っても同じである。

睡眠と睡眠薬” への4件のフィードバック

  1. こんばんは

    ベルソムラ 、ロゼレムどちらも飲んだことありますが悪夢がひどく全く効果無かったです。

    断薬後にあまりに不安定だから、漢方を処方してもらっていた内科医に藁をもすがる気持ちで、ベルソムラかロゼレムを出してもらえないか、とお願いしたら断られました。

    出されなくて助かりました。

    断薬前に服薬した時、副作用なしと聞いてたのに怖い作用があるんですね。

    再服薬したら大変なことでした。

    色んな後遺症怖いですね。

    1. 睡眠薬は、どの薬も脳の神経物質の取り込みを無理矢理させたり、阻止したりすることによって
      睡眠を実現させています。一定期間長期服用すると耐性ができますが、それは結局、各受容体
      を減退させるか、もしかするとバランスを取るためにオレキシン系などは増加させる場合もあるの
      かもしれません。それでないと、薬は一定量でずっと効果があり続けることになりますから。
      耐性ができること、すなわち、元の睡眠より悪化していることになります。それは、睡眠だけではなく、
      離脱も発症するわけですから、たまったもんじゃないですよね。

  2. はじめまして。maiaと申します。
    不眠という離脱症状を探していてこちらにたどりつきました。
    私の現状を話させてもらいますと、
    メイラックス1㎎/日を内科で処方され無知なままに漫然と頓服的に常用していました。ベンゾ系の怖さを知ったのは三、四年も飲んでしまっていた去年の暮れ。
    あわくってそれもまた無知なまま一気断薬して一月。じわじわとした心身の悪化に驚いて減薬に変えたものの、その時、相談した医者二人の言葉を信じてさらに一月急激減薬してしまいました。これは自力でやるしかない、とネットの体験談を漁りました。
    薬をやめたい!と切望してからも迷走し、無駄に4ヶ月もたってしまいました。現在は
    アトランダムな飲み方だったのを.05㎎を毎日にならす(月あたりにすると15錠が常用だったので)段階で、まだ減薬に入っていません。
    眼の不調、さまざまな症状はありますが、今年に入ってからじわじわと睡眠時間が減り、ここ数週間前から絶不眠や30分1時間の中途覚醒などが続いて来て(メイラックスという長期型の一気断薬のツケがいま来ているかと思われるのですが)こんな睡眠では身体がもつのか、というのが目下の不安です。耐えていていいのか、と。けれど医師に言うと
    ベルソムラを出されました。危険性も知りながら、とにかく眠るのが先決かと一度飲みましたが
    効いたのは一回きりで、あとは全くダメでした。却ってよかったです。
    もう飲むつもりはありません。

    不眠が治まるのを待っていても減薬に入れないという焦りもありました。

    そんな中でこちらの管理人さんの
    さらなる不眠にも耐えながら減薬を始められ
    不眠以外の体調はよくなった、という記事を読んで、そういうこともあるのか。。という考えも出てきました。

    酷い不眠は体の免疫力などに影響を及ぼさなかったでしょうか?
    年齢や性別、体力、飲んでいた薬、服用期間など個体差も大きいでしょうけれど。

    私はまだスタートにもたててないけれど
    参考にさせてもらえる記事が多いです。

    私は眼に不具合が出ていますのでブログは
    書けませんが、こちらのブログは今後も読ませていただき、いつか何かよいコメントを残せればと思います。

    どうぞお互い元の身体を取り戻せますよう。
    よろしくお願い致します。

    初めてで長々と失礼しました。

    1. Maiaさん、おはようございます。はじめましてです。

      断薬する際に絶不眠と直面し、身体が持つかと心配になる気持ちはよくわかります。
      僕も、断薬後にマイスリーに1〜2度手を出しているのが記録に残っていますよね。ブログには書いていませんが、
      起きてきて何度もマイスリーを割って飲もうとしていました。しかし、あれ以降は飲んでませんし、飲みたいとも思いません。

      皆同じような道を歩いてきています。安心してください。

      さて、絶不眠が続いて身体が持つかということですが、以前と同様の生活はできませんが、身体は持ちます。
      僕の場合、健常時の7割くらいで日常生活はできています。

      絶不眠と向き合うのに、重要なことは貴方が何を一番解決したいかをまず明確にすることです。これは簡単そうで、
      自分の中で割り切るには時間がかかる作業です。私は、これに気づくまで1ヶ月近くかかりました。

      当たり前ですが、絶不眠になるのが一番嫌なら、断薬すれば高い確率で不眠や絶不眠になるので、断薬するメリットは
      ありません。これが絶対に嫌だというなら断薬をやるべきではないでしょう。

      僕の場合、肩の硬直が耐えられるレベルではありませんでした。だから、絶不眠覚悟で、断薬に望みました。
      そして、肩の硬直は少しづつですが3ヶ月目の2週間目前辺りから軽減してきました。僕はこれでまずは満足しています。
      そして、次に不眠と臨みたいと考えています。

      しかし、私がもし、不眠と肩の硬直両方を回復させたいと考えて減薬を始めていると、肩の硬直は緩和されても、絶不眠は
      どんどん記録を更新し、悪化しています。これでは精神的に参ってしまうでしょう。

      だから、まず自分は何を解決したいのかを決めることです。そして、その治癒に集中しないと結果がでてもハッピーにはなれません。
      また、他の症状が悪化した時に、どの症状を追っていいのかわからなくなり、混乱してしまいます。

      確かに、絶不眠で身体が持たないこともあるでしょう。しかし、減薬する時に何の負荷もなく、気持ちよく減薬できて、離脱も緩和し、
      不眠も治った、ハッピー、ハッピーなんていうのは、ありえないと思います。

      自分が何を最も重要視し、何を我慢するのかをまず決めて減薬に望むべきだと思います。そうすれば、多少の辛さには耐えられるでしょう。

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