断薬後の離脱の回復について

絶不眠と肩の硬直は相変わらず日常生活に影響を与えている。睡眠薬を飲まなければ何日でも起きていられるし、ハイにもなる。肩の硬直も睡眠時間と比例して酷くなる。

しかし、回復への確かな足がかりになるのような身体の変化もあった。特に断薬後に明確に回復した離脱についていくつか記録しておきたい。

まずは、慢性便秘だ。僕は生まれてから40代後半まで便秘などしたことがなかった。それがいつ頃からだろうか便秘気味の日が増えてきた。おそらく、40代後半だったと思う。そして、過去3年は慢性的な便秘だった。食べると苦しく、すぐに喉つまりがした。排便も1週間に1〜2度程度でしかも出ない。しかし、加齢のせいだろうと決めつけていた。これが副作用と離脱のせいだった。

断薬後は、酷い慢性便秘は2週間くらいで解消した。これはもしかしたら副作用だったのかもしれない。しかし、その後も軽い便秘のより戻しがあり完全に解消したのは6月頃だった。おそらく、副作用がそんなに長く続くわけないので、6月まで続いた軽い便秘は離脱だったと思う。その後は、便秘らしい便秘は全くしていないし、食欲も常時ある。

次に身体の火照りだ。特に就寝する時に身体が熱くなり、ねていられなくなる。朝まで身体がずっと火照り続ける。こんな状態で眠れるわけがない。しかも、身体が火照る時は、だいたいハイになる。夜に目がランランと輝き、頭が冴えてくる。

火照りは、3ヶ月くらいで段々なくなってきた。その頃に、常用時は75〜80くらいあった安静脈拍数も70〜75くらいに低くなっていた。

身体は今も火照っている事が多い。ただ、気になるほどではない。今でも非ベンゾの睡眠薬無しでは眠れない。しかし、それは火照りで眠れないのではない。

最後に、精神状態の波である。これは断薬後すぐに全く無くなった。常用時は、ベンゾの血中濃度が減薬で少しずつ低くなるのと同時に、1日の間でも服用間で血中濃度が目まぐるしく変わっていく。これが精神的にとても不安定になる原因だと思う。私の場合、減薬後期に精神的に少しだけ不安定になった。

断薬後は、病状が変わらずに落ち込むことはあっても、それは「支配されている」ような精神的な波ではなかった。一時的に健常時でもある気分の落ち込みだと客観視することもできた。精神的な安定は、回復にとってとても強い味方である。精神的に安定していれば、「辛いけどなんとか乗り切れる!」と思えるからである。

この他にも常用時に苦しんだ離脱は20程もある。しかし、この3つが肩の硬直と絶不眠を除くと、最も辛かった離脱だった。それが、断薬後は嘘のように消えた。

ベンゾや向精神薬を服用し続けている人は、現在の状態が以前からずっと続いており、悪化してきているのだと勘違いしがちである。私も、全くそう思っていた。病は時間の経過とともに悪化し、薬が効かなくなっているので、尚更、辛いのだと理解しがちなのである。

しかし、その理解は多くの場合、間違っている。病を悪化させているのも、体調や精神状態がどんどん悪化しているのも、ベンゾや向精神薬自体が原因なのである。

内科や外科で病が回復すると患者は通院しなくなる。しかし、精神科医に通う患者は症状がどんどん酷くなっていくのが一般である。そして、それは「精神的なもの、ストレス性のものはなかなか治らない」などという常套句で片付けられていることが多い。しかし、貴方が初診のときより病の症状が酷くなっていたら、体調がなぜか優れなかったら、それは薬が原因である。

プッシュ通知を

断薬後の離脱の回復について” への7件のフィードバック

  1. 正に自分はソレです。ソラナックス15年服用し年末から無知な減薬を始めてしまい不安定のままです。睡眠も2.3時間のまま一向に回復しません。減薬もステイし安定を待ってます。不安感恐怖心が酷く生き辛い毎日で絶望してます。年単位でも断薬するつもりですが、減薬時点でも安定するものでしょうか?

    1. 梶さん、コメントありがとうございます。

      僕の場合は、減薬初期は7割方回復したんですが、減薬後期で段々と不安定になっていきました。
      減薬中は、減薬により離脱と日中の服用間離脱が両方あるので、安定するのはなかなか難しいと思います。

      減薬を長期に渡って成功した人の中には、減薬は時間をかければ問題ないなどと言っている人もいますが、
      ブログを見るとやっぱり、減薬中は苦しんでますよ。

      断薬後は、僕の場合ですが、離脱症状数が激減しましたが、主たる離脱の不眠と肩の硬直は悪化しました。
      ただ、不安定ではなく、酷いレベルで固定化です。

      その後9ヶ月経って、ようやく肩の硬直は少し軽減してきたかなあという程度です。

      1. ありがとうございました。
        もしshinさんが自分と同じ状況でしたら減薬進めますか?
        あくまでも参考までにですが。

        1. 匿名さん、コメントありがとうございます。

          すいません。どなたか見当が付かないのですか、どの匿名さんでしょうか?

          1. 梶さん、こんにちは。

            梶さんの置かれている状況や状態の情報が少なすぎて判断が難しいですが、僕は減薬を決めて
            途中で止めようと思ったことはありませんでした。

            それがどれだけ苦しくても、2018年1〜3月に経験した劇症性離脱を超す苦悩はないだろうと思って
            いたからで、それはやはり当たっていました。今の所、あれ程の苦悩はありません。

            減薬中や離脱中に小康状態はあっても、症状が安定するのは難しいと思います。
            特に減薬中は、睡眠薬の血中濃度の低下と服用間濃度の変化で症状は目まぐるしく上下します。

            これ自信が回復のサインだと思わなければならないのだと思います。

            断薬後は、ある症状は悪くなっても減薬時のようなジェットコースターのような変化はありません。

            そういう症状の変化を経ながら、段々と回復していくのだと信じています。

shin へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)