離脱は気づかない病

離脱は気づかないものと、気付くものがある。離脱を気付かされるのは、僕の場合、向精神薬の副作用に降参し、急減薬をして、劇症性離脱に襲われたときだった。怪我の巧妙か、これで私は離脱の存在に気が付かされた。もし、この急減薬をしなかったら、おそらく離脱の存在も気づかなかったかもしれないと思うと恐ろしくなる。

僕の場合、まずは肩の硬直が襲ってきた。肩こりとは違う、強弱のない方の痛みで、湿布をしても、マッサージをしても、鍼灸をやっても、何もきかなかった。これはおかしいと思い、ネットでいろいろ調べたところ、睡眠薬や向精神薬の離脱症状ではないかと気がついた。このほかにも、便秘や体のほてり、吐き気、めまい、喉のガラガラ、喉のできもの、様々な体調の不調不調があったが、それが離脱だと気づくには時間がかかった。しかし、離脱症状だとわかってしまえば、その対策を調査すればよかった。症状的には、この時ほど辛かった事は無い。しかし、自分が体の調子が悪いのか、睡眠薬の離脱症状だということが判明しただけでも、精神的には楽だったかもしれない。自分が体の調子が悪いのが、睡眠薬の離脱症状だということが判明しただけでも、精神的には楽だったかもしれない。


本当に厄介なのは、体調が悪いがそれが何の原因なのかよくわからない時だ。私が睡眠薬常用中に感じた体調不良や精神的不安定は、最近になって、あれは離脱だったのかと気付かされる。常用中は、睡眠不足もあるし、加齢も進んでいる。だから、ほとんどの人は不眠と加齢が原因だと勘違いし、病院に行き、無責任且つ無能な医師に誤診をされ、睡眠薬以外の訳の分からない薬を処方され、症状を複雑化させてしまう。

ほとんどの人は、医師が誤診していると言う事は気づきながら、他に原因の見当がつかないので、医師に見捨てられないように、通院している。しかし、その通院で離脱症状が軽減するわけがない。離脱症状は、睡眠薬を飲み続ける限り、常用していても、しかし、その通院で離脱症状が軽減するわけがない。離脱症状は、睡眠薬を飲み続ける限り、常用していても、減薬していても発症するのだ。睡眠薬を服用しながら離脱を起こさない方法は、常に睡眠薬を増やしていくことである。しかし、睡眠薬が処方の上限が決められているし、もし助言がないとしても、副作用がひどくて限界なしで増やしていく事は不可能であろう。だから、いかに工夫しても結局、離脱は発症するのである。

離脱と言うのは、明確な症状の出ない細かな体調にも生じる。

例えば僕の場合、低体温症や体のほてりが最近になってだんだんなくなってきた。とても長い間、これらに悩まされてきたので、原因が年齢なのか、更年期障害なのかもうわからなくなっていた。

また季節の変わり目の体調の悪化である。Twitterでは、台風が来る時や季節の変わり目に、体調が良くないと言うつぶやきが多く流れる。そういうつぶやきを見て、私も同じように感じていた。しかし、半年位前から体調は安定しており、体調が悪くても、それは天候が安定し、晴天が続いていた期間であったりする。季節の変わり目の体調不良は、もう10年以上続いている。これが全て離脱のせいだったとは、にわかに信じられない。しかし、最近は台風が来ても何も感じないのだ。

ベンゾや向精神薬で離脱の発症する確率は50%ぐらいだと言われている。しかし、離脱の発症してない50%の人達は、実は気づいてないだけではないだろうか?

僕は、睡眠薬を飲んでから8年間離脱症状には気づかなかった。そして今思うのは、不眠よりも、離脱の方が辛いと言うことだ。僕は、断薬後7カ月の間絶不眠を経験した。確かに壮絶な戦いだった。しかし、離脱はほとんど消え、残ったのは絶不眠と肩の硬直だけだった。離脱のオンパレードだった頃に比べると、睡眠状態ははるかに悪いが、それでも耐えられるレベルだった。

離脱は気づかない病。

本当は睡眠薬にまつわる最も恐ろしい病なのである。

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離脱は気づかない病” への2件のフィードバック

  1. 私も食欲不振等を理由に処方された薬を服用し暫くして身体が生まれて初めておかしくなりました。
    その時、私は「加齢」だと思い込み精神的にも追い詰められました。
    だってまだいろいろやるべきことが残っているのに、この歳でこれならこの先どうなるんだろう?!って不安になりました。それくらい酷い体調不良でした。

    薬のせいだとは一切考えませんでした。
    処方した医師に逐一状態を真面目に丁寧に報告していたので、もしそうであれば医師が気付いてくれると・・・・、医師を信じきっていました。

    それから処方が複雑化しさらに体調も精神面もぐちゃぐちゃになりました。
    やっと気づいて医師に無断で減断薬を進め今に至ります。

    当初私をおかしくしたのは睡眠薬ではありませんでしたが、睡眠薬と同じく中枢神経に作用する薬でした。その薬は既に断薬して久しくなります。その頃に較べれば精神的には安定しています。

    今はまだ、上記した薬よりも後から処方されたBZDが残っています。
    BZD関連ブログが乱立する理由がわかる辛さ、難しさを実感しますが、頑張って生きて行こうと思います。

    1. Kixさん、こんにちは。

      ベンゾは区別しやすいので、危ないとされていますが、向精神薬も離脱は変わらないし、比較的安全とされているマイスリーやベルソムラも離脱はありありです。おそらく、精神科で処方されてる薬は、湿布や効かないロゼレムなど以外はほとんど危険な薬なんじゃないでしょうかねえ。

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