断薬という決断

薬害不眠症を治療する方法は、断薬しかない。しかし、断薬を決断するのは至難の業だ。

ただでさえ眠れないから睡眠薬を飲んでいるのに、睡眠薬を減薬したら眠れなくなるのは目に見えている。重度の不眠症患者にとって、それは絶不眠を意味するのだ。

それに加えて、私のように常用離脱を発症していると、様々な離脱症状が今よりもっとひどくなる恐れもある。もし、離脱症状が今よりもひどくなって、しかも絶不眠が続いたら生きていくことは不可能だろうなどと考え、ただでさえ落ち込みがちな精神状態なのに、暗い気持ちになってしまうのだ。

しかし、安心して欲しい。実際、ネガティブに想像している通りのことが起こる😂。つまり、不眠もひどくなり、一部の離脱症状は先鋭化する。

ただ、減薬していく過程で副作用がもたらしていたと思われるいくつかの症状は薄れ、解消するし、離脱症状だと思われるいくつかの症状も消えていく。僕の場合、少なくとも、精神的な不安定はすぐに解消した。落ち込みはするが、以前のように訳もわからず、死ぬことばかり考えるようなことは全くなくなる。あれは、心の病気でもなんでもない、睡眠薬や向精神薬の離脱症状だったのだと気付かされる。

おそらくだが、離脱は身体や精神の弱い所に不調という症状となって現れる。だから一番弱いところがまずやられ、最後まで残るのだ。僕の場合、離脱症状は20以上あったが、3大離脱といえば肩の硬直、便秘、不眠そのものである。そして、順番的には不眠→肩の硬直→慢性便秘の順で発症した。そして、慢性便秘が断薬後すぐに解消し、肩の硬直がやや軽減し、未だ絶不眠状態である。

今までの経過を見ると、今後、肩の硬直→不眠の順で離脱症状が回復していくのだと思っている。

しかし、こうした苦行のような回復期を経験しても、断薬の英断をした自分を本当に誇りに思っている。

不眠症の闘病記に一番苦しいのは離脱の症状自体ではなく、「回復の道筋」が見えないことである。精神科に通いながら不眠が悪化していることをいくら訴えても、のれん押しの医師の説明や処方される睡眠薬に落胆し、雪の大通りをトボトボ歩く2年前の自分を思い出すと、今でも怖くなる。

不眠症という迷路から抜ける方法は、断薬しか方法はない。断薬には不眠悪化と離脱と戦う英断をまずしなければならい。断薬の決断は、時間はかかるが必ず報われる。

プッシュ通知を

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)