脊柱側弯症ではなく、離脱症状

2年前、あまりの背中の張りと痛みに耐えかねて、整形外科に行くと、脊柱側弯症だと診断された。

脊柱側弯症とは、簡単に言うと背骨が曲がっていて、通称、蛇背とも言われる背骨の変形だ。私の場合、外見では側弯症を認識することができず、レントゲンを撮って、背骨が側弯していることがわかった。

この側弯症といのが、くせ者で、これも不眠症と同じで、症なのである。つまり、そういう状態だと言っているだけで、別に病ではないのだ。殆どの人は、背骨に少しばかりの歪みがあるのだ。しかし、殆どの人は痛みは発症しない。それは病ではない。少し、太っているとか、首が太いとか、細いとか、歯並びが悪いとか、そのくらいのことなのだ。しかし、整形外科に行くと、状態に名称を付けられ、それがいかにも異常で病のように扱われる。しかも、治療法はないのだ。つまり、側弯症が極度に酷い場合をのぞいては、こんなことで病院に必要はないのだ。

この背中の痛みで整形外科に行ったのが、間違いの始まりである。医師に、背中が、あまりに痛く、眠ることもできないので、どうにかしてくれと頼むと、レントゲンを撮った後も、必要のないMRIだとか、血液検査だとか、色々な検査を行い、結局、他の異常はなく、側弯症は治らないので我慢してくださいと言うのである。

大混雑する整形外科で待つこと5時間、2回目の検査も3時間、3回目の検査結果も2時間程度待たされ、結果が結局経過観察である。3回の通院で、1.5万円ほど払ったのに、結局何も解決しないのである。

まあ、痛み止めと称してベンゾを処方する医師よりはマシであるが、前回話した椎間板ヘルニア の件でも話したが、整形外科の診察も本当にいい加減で、信頼できないものだ。いろいろ検査し患者からお金と時間を取り、問題解決など何もしない。整形外科は、骨折など以外では行っても、何か解決した試しがない。

結局、整形外科では何も解決しないと思い、背中の痛みは精神科医でもらった湿布を張って凌いだのだが、その間6ヶ月以上苦しんだ。そして、その痛みをやり過ごすために、デパスの常用量を増量した。すると、なぜか背中や腰の痛みは、少しづつ癒えたが、その痛みが肩や首に上がってきた。

この頃から、これは側弯症ではないと確信した。なぜなら、デパスが半減期を過ぎて切れてくる頃から急激に肩や首が痛くなってくるのに気づいたからだ。

普通の筋肉のこわばりやコリは、時間とともに炎症が収まり、痛みが緩和される。今までの経験だと、劇症期というのは最長でも2週間ほどで、安静にしていれば、だんだんと緩和されてくる。その頃から運動療法を取り入れ、周辺の筋肉の血流を良くしていけば、だいたいの場合は収まる。

ところが、私の経験した背中、首、肩の痛みは、痛みや辛さの強弱が殆どない。しかも、劇症期が無いか、あると、劇症期間が3ヶ月、時には6ヶ月と続いたりする。その期間ずっと、患部はバキバキと筋肉がきしむような嫌な音がして、動かすと筋が切れていくような痛みを伴いのだ。この痛みは、鍼灸、カイロプラクティク、マッサージ、オイルマッサージ、指圧、電気療法、ストレッチなど何をやっても効果がない。効果が無いどころか、逆に悪化することのほうが断然多い。

そして、たまりかねて筋弛緩剤を服用すると数時間は楽になるが、その後、以前より更に硬直が悪化する。もう、こんなことを数年以上繰り返し、やっと、これは側弯症ではないと気づいた。

しかし、それでも離脱とは気づかなかった。なぜなら、離脱という概念自体を知らなかったからだ。おそらく、言葉で知っていても、副作用と混同するだろうし、説明されても、実感としてわからないだろう。

私の場合、薬を急激に減薬し、劇症性の離脱を経験して、はじめて、離脱の存在を睡眠薬と関連付けて認知できるようになったのだ。

そして、薬の服用の増減、中止で首や肩の硬直に変化がでることが初めて知覚したのだ。

減薬・断薬を経験し、肩と首の硬直は依然続いている。しかし、背中、肩、首の異常な硬直の原因が脊柱側弯症などではなく、睡眠薬の離脱だということがはっきりとわかった。

そして、首と肩の異常な硬直は睡眠薬の断薬以外に治療法が無いことを改めて認識した。

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