断薬がなかなかできない方へ

最近、コメントやTwitterのDMで断薬が出来ない現状にイライラしているという相談なのか、現状報告なのかをよく受けます。そういう方は、おそらく、減薬しながら日常生活を維持できずに再服用を繰り返す自分に腹立って、自分の中で答えが決まっていないまま、誰かに話を聞いてもらいたいのだと思います。僕もそういう暗黒時代を1人で悩んでいる時期があったので気持ちはよくわかります。

人はそれぞれ環境が違いますので、一概には言えませんが、私は1日も早く断薬をした方が良いと思います。減薬、断薬期間は人生のどん底かもしれません。しかし、ベンゾに身体が完全支配される前に、つまり自然治癒力のまだ残ってるうちに断薬をしてしまった方が離脱も軽く、不眠が治るのも早いでしょう。それでも、治癒までは1〜3年はかかるのです。

相談されてくる方達は、おそらく断薬に踏み切るきっかけが欲しいのだと思います。しかし、僕の現状報告を見ると全然回復してないじゃないかとガッカリして、どうすればいいのかわからなくなってしまっているのかもしれません。😅

確かに、私は現在1日平均睡眠時間は10分くらいだと思います。1週間で1日か2日、30分眠れる日があるくらいのレベルです。また、肩の硬直も辛さレベルは8/10で筋トレなどは全くでさかません。こんな日誌を毎日読まされていたら、「本当に良くなってるのかなあ?断薬するの止めようかなあ」という気持ちになっているかもしれません。しかし、それは最終的に残った不眠と離脱症状であり、他のわけのわからない様々な体調不良、精神的不良は一切なくなりました。その意味では、断薬は既に成功しているのです。僕にとっては、睡眠薬を使って2〜3時間眠りながら体調と精神不良と戦っていた時の方が、現在の状態(絶不眠と肩の硬直のみ)のほうがずっと楽です。

もし、貴方がめまい、動悸、吐き気、ヒステリー球、喉のブツブツ、便秘、下痢、食欲不振、筋肉の硬直、脱毛、喉のつっかえ感、胸のドキドキ、原因の無い不安、むくみ、無気力、火照り、極度の冷え性などの体調不良がなかなか良くならず、ホルモン異常だとか、更年期障害だとか適当な病名をつけられているとしたら、医師から加齢と不眠から来る体調不良だと説明されているとしたら、それは疑ったほうが良い。なぜなら、それらの病名は医師にとっては最も診断がしやすく、常用薬で薬漬けがしやすい生活習慣病だからです。僕の解釈では、生活習慣病というのは、病ではありません。生活習慣病は、病院に行って常用薬を処方され、耐性ができ離脱を発現してはじめて病になるのです。これは、離脱症状を経験したことのある人でないとなかなか理解しずらい思います。しかし、耐性は地獄への入り口だと考えたほうが良いと思います。ただ、耐性ができてもすべての人が離脱を発現するわけではありませんが。

最初に睡眠薬を処方されてから、時系列で不眠が悪化している場合、これから悪くなる可能性はあっても、安定したり、良くなる可能性はありません。今は離脱が発現していなくても、私のように7年目になって急に発現する場合もあるのです。僕の場合、3年前には、睡眠薬を飲んでも既に睡眠時間は2〜3時間、体調も弱りきっていたので、減薬・断薬は茨の道でした。まだ、元気なうちに減薬・断薬という方法を知っていたら、断薬ももっと楽だったろうと思います。

残念ながら、不眠症が重度の場合、減薬・断薬を実施しながら仕事を同じように続けるのは、おそらく不可能だと思います。特に減薬後期、断薬後は症状が悪化しますから、職場には事前に相談しておくか、最悪、退職しなければなりません。

私の場合、退職覚悟で相談し職責を軽くしてもらい、治療期間は遅刻、早退を柔軟にさせてもらえるようにしました。当時は、退職覚悟で相談しましたが、相談して精神的負担も軽くなり、治療に専念できるようになりました。

しかし、もしあの時、退職しなければならなかったとしても、やはり断薬することを選んだと思います。あの体調と精神状態では生きていく価値がありませんでした。睡眠薬の常用を放置しておくと、そこまで落ちていくのです。そうなる前に、まだ選択の余地のあるうちに、断薬を実行することをお勧めします。

減薬・断薬は辛いプロセスです。常用時のようにODして一時的に楽になることもできません。毎日毎日、不眠も離脱も辛くなるが正直多いです。しかし、様々な離脱症状が発現している場合、その数はだんだん減ってきます。循環器系はだんだん正常になり、食欲が戻り、生への渇望が戻ってきます。忘れていた疲れ、眠気もだんだん感じるようになってきて、少しづつ眠れるようになります。私は、現在、その状態です。

ネット上の同士の方に、日本最強の不眠症だと何度か言われました。嬉しくはありませんが、私も自分以上酷い不眠症を日本、英語圏の不眠症患者で見たことがありません。それは、僕にとって一時は絶望でした。しかし、今では自分が治癒すれば、どんな酷い不眠症でも治癒できるという良い前提になると思い直し、必ず治ろうと思い直すようになりました。そして、少しづつ眠れるようになっています。1日、5分などと言うと、健常者の方が聞いたら、多分意味がわからないでしょう。でも、僕にとっては確実な一歩なのです。

薬害不眠症は必ず良くなります。

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断薬がなかなかできない方へ” への2件のフィードバック

  1. 思い返せば、不眠発症の原因は仕事上のストレスでした。
    大手商社で第一志望の会社に8年間勤務していたんですが家に帰っても残業というのが日常化し
    眠ることすら緊張する事態になったんです。睡眠薬や安定剤を毎晩飲み、紛らわしながら生活をし続けても根本的な解決にはなりませんでした。思い切ってその会社を止め、原因を取り除いても残ったのが薬の残存後遺、いわゆる依存です。shinさんの仰る通りで、断薬以外に治癒の対処法はないとも思います。僕は、今現在最低限の眠剤の力を借りての生活ですが、これも悪循環だと自負しています。
    こういうホームページを立ち上げてくださって感謝しています。今後もよろしくお願いします。

    1. 岡部さん、こんにちは。

      いつもコメントありがとうございます。

      岡部さんの今回のコメントを拝見して思ったのですが、おそらく僕ときっかけや経過は殆ど同じですね。

      最初、商社で働いて眠剤を使い始めた時は眠れただけでなく、本来の自分より仕事が出来てませんでしたか?私は最近そう感じています。あれは、仕事ができていたのではなく、眠剤でハイになっていたんですね。だから本来の脳より回転も速く、発想も豊かだったような気がします。その時期は、パフォーマンスもすこぶる良かったです。

      しかし、何年か経つうち、不眠がだんだん進行していき、あーこれは仕事のストレスが原因で不眠が悪化しているのだなぁと思い出します。

      しかしそれは、仕事のストレスではなく、既に離脱が始まっていたのです。しかしそれに気づかず、仕事のやり方を変えてみたり、リラックスする方法をいろいろ試したりしましたが、ほとんど症状が良くなる事はありませんでした。なぜならそれは、薬そのものが原因だったからです。

      しかしその間も薬を飲んでおり、薬を多めに飲んで、少し眠れると、気分が良くなるので、やはり不眠が原因で体調が悪く、不眠の原因はストレスだと思ってしまうのです。

      しかしストレスは不眠の原因ではあっても、全く眠れないような重度な不眠の原因にはならないのではないかと最近思っています。

      岡部さんは、最近どのようなお仕事をしているのでしょうか。そしてそのお仕事で、ストレスは大きいのでしょうか? よろしければ教えてください。

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